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「横流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

横流の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
ぎこもうとする。が、液体は、いたずらに女の顔を、目と言わず、鼻と言わず、うす黒く横流れするだけで、口へは、ほとんどはいらないらしい。そこで老人は、いよいよ、気を....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
のときは、西南西の林越しにちらちらと火が見えた。てっきり焼夷弾が落ちて、こっちに横流れに流れてくるものと思い、壕を出て垣根からのびあがって透かしてみたところ、焼....
私たちの建設」より 著者:宮本百合子
消費者が、すべての配給機構や町会を自主化させ民主化させていろいろの組合を管理して横流しを防ごうとしている努力と全く結び合ったものである。 家庭の婦人が、一つで....
人民戦線への一歩」より 著者:宮本百合子
何かが存在しているからである。どんな長閑《のどか》なこころも、日本の現実の中で「横流し」という術語を知らないものはなくなっているのである。 新聞などを見ても、....
公のことと私のこと」より 著者:宮本百合子
つかの段階があって、そのたびにいろいろな警告が発せられました。配給を公平にせよ、横流しをするな、闇をとりしまれ、公徳心を発揮せよ、と云われたのですが、そのききめ....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
晃々として、二人の顔も冴々と、古橋を渡りかけて、何心なく、薬研の底のような、この横流の細滝に続く谷川の方を見ると、岸から映るのではなく、川瀬に提灯が一つ映った。....
程よい人」より 著者:豊島与志雄
中には現に、いろいろな不正が行われている。関係方面に為されてる贈賄や収賄、物資の横流し、不正な取引などが、或は会社の名に於て、或は個人の名に於て、ずいぶん行われ....
現代の詐術」より 著者:坂口安吾
★ 私はいわゆる人情という奴が好きでない。私はタバコの行列で人情的横流しと隣組座の横暴になやまされたが、私の近所の病人の爺さん婆さんのやってる一番....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
ヤス子は分りましたと受取ってくれたが、そこで私が一夕晩メシに招待して、例の紙の横流しなどザックバランに社のヤミ性をうちあけて、 「かく申さばお分りの通り、私は....
大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
いくら自由市場の煙草を取締つても無駄ですよ。専売局自身が倉庫から大量持ち出して、横流しをしてるんですからねえ」 東京の人人はこの記事を読んで驚くだろうが、しか....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
藤の運勢が下り坂に向ったのを看取すると、天性の覇気が脱線して桁を外れた変態生活に横流した。椿岳の生活の理想は俗世間に凱歌を挙げて豪奢に傲る乎、でなければ俗世間に....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
泊知らず、吏臭紛々たる明治の官界史にあっては恐らく当時の官報局ぐらい自由の空気の横流していたはけだし類を絶しているだろう。 高橋健三は官報局の局長室に坐してい....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
であろうか? しかも正規の配給ルートによらぬ一級品の大魚を── これはいわゆる横流しのやみ魚であろう。なるほど、私が直接やみをしたわけではない。私はただここで....