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横目
「横目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
横目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仙人」より 著者:芥川竜之介
に、黙っていればよかった。)――李は、心の中でこう自分を叱った。そうして、そっと
横目を使って、老人の容子《ようす》を見た。道士は、顔を李と反対の方に向けて、雨に....
「少年」より 著者:芥川竜之介
鶏のように顔の赤い、短い頬鬚《ほおひげ》のある仏蘭西《フランス》人である。保吉は
横目を使いながら、ちょっとその本を覗《のぞ》きこんだ、Essai sur les....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
海上用語の暗礁《あんしょう》に満ちた、油断のならない荒海《あらうみ》だった。彼は
横目《よこめ》で時計を見た。時間は休みの喇叭《らっぱ》までにたっぷり二十分は残っ....
「或る女」より 著者:有島武郎
思わず着かえかけた着物の衣紋《えもん》に左手をかけたまま、うつむきかげんになって
横目をつかいながら耳をそばだてた。破裂するような事務長の笑い声がまた聞こえて来た....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
見参らす雛の顔は、実際、唯瞻れば瞬きして、やがて打微笑む。人の悪い官女のじろりと
横目で見るのがある。――壇の下に寝ていると、雛の話声が聞える、と小児の時に聞いた....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
承知をしてます。」 「また寄鍋だろう、白滝沢山と云う。」 「どうですか。」 と
横目で見て、嬉しそうに笑を含む。 「いずれ不漁さ。」 と打棄るように云ったが、....
「海異記」より 著者:泉鏡花
を放さず手にかけながら、葎の中の小窓の穴から、隣の柿の木、裏の屋根、烏をじろりと
横目に覗くと、いつも前はだけの胡坐の膝へ、台尻重く引つけ置く、三代相伝の火縄銃、....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
己れっちらの境涯では、四辻に突っ立って、警部が来ると手を挙げたり、娘が通ると尻を
横目で睨んだりして、一日三界お目出度い顔をしてござる様な、そんな呑気な真似は出来....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
黄八丈の書生羽織を、ぞろりと着たのは、この長屋の主人で。一度戸口へ引込んだ宗吉を
横目で見ると、小指を出して、 「どうした。」 と小声で言った。 「まだ、お寝っ....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
「黙れ! 白痴!……と、こんなものじゃ。」 と従七位は、山伏どもを、じろじろと
横目に掛けつつ、過言を叱する威を示して、 「で、で、その衣服はどうじゃい。」 「....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
見当らない。小県は一つ一つ絵馬を視ていた。薙刀の、それからはじめて。―― 一度
横目を流したが、その時は、投げた単衣の後褄を、かなぐり取った花野の帯の輪で守護し....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
き貝を好む。 八 先生は見ざる真似して、少年が手に傾けた件の畚を
横目に、 「生憎、沙魚、海津、小鮒などを商う魚屋がなくって困る。奥さんは何も知ら....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
の上へ頬杖を支いて、蟇が覗いていそうで。婦人がまた蒼黄色になりはしないか、と密と
横目で見ましたがね。襲を透いた空色の絽の色ばかり、すっきりして、黄昏の羅はさなが....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
、頸から爪さきまで、木の葉も遮らず赫として日光が射した。 才子は正面に、鴨川は
横目に、貴なる令嬢を振返って、一斉に此方を見向いた時、お夏は会釈も仕後れて、畳ん....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ません。 ごろりごろりとやって、桜木町を通りかかって、此奴も同く路地床の開業を
横目で見たからぬかりませんのさ。 右のね、何ですっさ。にごり屋の軒下へ車を預け....