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横顔
「横顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
横顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
を覗《のぞ》いて見る。
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頭を刈《か》っている男の
横顔。これもしばらくたった後、大きい針金の環《わ》にぶら下げた何本かのかもじに変....
「父」より 著者:芥川竜之介
ケルの懐中時計を出して、丹念《たんねん》にそれと時間表の数字とを見くらべている。
横顔だけ見て、自分はすぐに、それが能勢の父親だと云う事を知った。
しかし、そこ....
「母」より 著者:芥川竜之介
めいせん》の羽織の肩には、崩《くず》れかかった前髪《まえがみ》のはずれに、蒼白い
横顔が少し見える。勿論肉の薄い耳に、ほんのり光が透《す》いたのも見える。やや長め....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
座《しもざ》には、品《ひん》の好《い》い笄髷《こうがいまげ》の老女が一人、これは
横顔を見せたまま、時々涙を拭っていました。
「いくら不自由がないようでも、やはり....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
》のある黒の模様で、薔薇《ばら》の花束を手にしながら、姿見の前に立っている所を、
横顔《プロフィイル》に描いたものでした。が、それは見る事が出来ても、当時の快活な....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
見ると、たとい病的な弱々しさはあっても、存外ういういしい処はなかった。僕は彼女の
横顔を見ながら、いつか日かげの土に育った、小さい球根を考えたりしていた。
「おい....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
思った客が、いたと云うばかりではない。鏡の中に映っている客の姿が、こちらへは僅に
横顔しか見せていないにも関らず、あの駝鳥《だちょう》の卵のような、禿《は》げ頭の....
「葱」より 著者:芥川竜之介
した。するとまた田中君は、あの何とも判然しない微笑を眼の中に漂わせて、お君さんの
横顔を窺《うかが》いながら、
「お君さんには御気の毒だけれどもね、芝浦のサアカス....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
あったトランプを掴《つか》むが早いか、いきなり兄の顔へ叩きつけた。トランプは兄の
横顔に中《あた》って、一面にあたりへ散乱した。――と思うと兄の手が、ぴしゃりと彼....
「路上」より 著者:芥川竜之介
初子《はつこ》は同情と云うよりも、むしろ好奇心に満ちた眼を輝かせて、じっと令嬢の
横顔を見つめていた。
「オルガンだけは忘れないと見えるね。」
「オルガンばかりじ....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
は、明い電燈の光がまぶしいように、つつましく伏眼《ふしめ》になりながら、私の方へ
横顔を向けて、静に立っているのでございます。が、それに別に不思議はございません。....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
、土口気泥臭味の語に出合った時に忽《たちま》ち僕の母の顔を、――痩《や》せ細った
横顔を思い出した。
こう云う僕は僕の母に全然面倒を見て貰ったことはない。何でも....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
》かげの落ちた岩の壁。そこには勿論《もちろん》はっきりと「さん・せばすちあん」の
横顔も映っている。その
横顔の頸《くび》すじを尻っ尾の長い猿の影が一つ静かに頭の上....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
来たか?」 Sはまた何とも答えなかった。A中尉は彼を見つめながら、もう一度彼の
横顔を張りつける場合を想像していた。 「誰だ?」 「わたくしの家内であります。」....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
二九 体刑 僕の小学校にいたころには体刑も決して珍しくはなかった。それも
横顔を張りつけるくらいではない。胸ぐらをとって小突きまわしたり、床の上へ突き倒し....