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樹氷
「樹氷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
樹氷の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「単独行」より 著者:加藤文太郎
もよく山へ一つも登らぬのも残念だと思って、つい登ってしまいました。途中ブナの木も
樹氷で綺麗に飾られていますし、ボサも殆んど雪の下なので気持よく歩けました。頂上に....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
担っていた。葉のない木も、細い梢《こずえ》の先まで雪を附けて撓《しな》っていた。
樹氷に纏《まつわ》りつかれて重くなっているのだ。ときわ樹は枝葉の上に山のように積....
「眼を開く」より 著者:夢野久作
或る寒い朝のことフッと気が付いてペンを投げ棄て、窓の外を覗いてみると、外は一面の
樹氷で、その中にチラホラと梅が咲いているのに驚いた。最早、新の正月が過ぎて、大寒....
「凍雨と雨氷」より 著者:寺田寅彦
体に接触して生ずる露と霜と木花と、氷点下に過冷却された霧の滴が地物に触れて生ずる
樹氷または「花ボロ」を除けば、あとは皆地上数百ないし数千メートルの高所から降下す....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
朴なようすで焼け残っていた。疎らに立ち並んだ五六本の焼棒杭に氷雪がからみついて、
樹氷のようにつらつらに光り、立木一本ない不毛の風景に、多少の詩趣をそえるのである....
「尾瀬沼の四季」より 著者:平野長蔵
もしめりがちとなり気温三拾度に昇れば雨の模様となり、白霧数里、針葉樹闊葉樹白樺に
樹氷を結びし景色は、白銀の花というてよかろうか、山人らの如き自然の愛好者は、針葉....
「樹氷」より 著者:三好十郎
う事も無いわけです。そういう事もあるのでございますねえ。……ズッと後になって私、
樹氷というものを見たことがございます。所も同じ信州の高原地の冬のことですけど、物....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、あとではいたく慚愧したとやら、これも当時の評判であったという。 四明ヶ|岳の
樹氷、湖水を研ぐ北風。叡山東坂本の行宮は、寒烈、そんな一語ではつくせない。言語に....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
のを運ぶのは大仕事であったが、計画は見事成功した。白樺の老樹の細《こまか》い枝が
樹氷につつまれて空一面に交錯している間に、僅かばかりの空所があって、その間を静か....
「雪雑記」より 著者:中谷宇吉郎
大仕事であったが、計画は見事成功した。白樺《しらかば》の老樹の細《こまか》い枝が
樹氷につつまれて空一面に交錯している間に、僅《わず》かばかりの空所があって、その....