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「樹脂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

樹脂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「闇の絵巻」より 著者:梶井基次郎
いた。その煙は時として街道の上へ重苦しく流れて来た。だから街道は日によってはその樹脂臭い匂いや、また日によっては馬力の通った昼間の匂いを残していたりするのだった....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ある礼拝堂の尖塔や左右の塔櫓が、一｜刷毛刷いた薄墨色の中に塗抹されていて、全体が樹脂っぽい単色画を作っていた。 法水は正門際で車を停めて、そこから前庭の中を歩....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
したらいいというんだ」 「その黄金三日月とやらは、もちろん、金属でしょう。義眼は樹脂だ。それならば、その義眼を、ここにあるＸ線装置でもって透視すれば、いともかん....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
すると、そんなやすっぽいものではなかった。それはすこぶる大きな軽金属製、あるいは樹脂製と見えるだだっ広い天井が、はてしも知れずひろがり続いているのだった。それは....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
生還したのであった。彼は大急ぎで自らベールをかきあげ、それから顔全体を包んでいた樹脂性マスクをすぽんと脱ぎ、瀕死の狼が喘いでいるような口へ、コップのふちを嵌めこ....
「金属人間」より 著者:海野十三
った。 そのマスクの肉づきは、うすいところもあり、またあついところもあり、人工樹脂《じんこうじゅし》でこしらえたものにちがいなかった。 マスクのとれた下から....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
りつけて、靄をたちまちに飲み干してしまった。間もなく砂地は焼け、丸太小屋の丸太の樹脂が融け出した。ジャケツも上衣も脱ぎ棄て、シャツは胸をはだけ、袖を肩までもまく....
「浅間山麓より」より 著者:寺田寅彦
ると、どこともなくぷんと強い松の匂いがする。小松のみどりが強烈な日光に照らされて樹脂中の揮発成分を放散するのであろう。この匂いを嗅ぐと、少年時代に遊び歩いた郷里....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
まりの面を泳いでる虫のような船をながめた。温和な空気を呼吸し、刈られた牧草や熱い樹脂の匂《にお》いとともに、風のために遠くからときどき吹き送られる、家畜の鈴の音....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
んすい》し、みずから自分の身を疲憊《ひはい》さし、四方から自分自身を焼きつくし、樹脂の炬火《たいまつ》のようにしばらくのうちに燃えつくしているが、彼の友もその一....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
は全く痕跡もなくなっているそうである。木乃伊を作るには始め塩水に死体を漬け種々の樹脂の類を塗って固めたものらしい。これが六千年後の今日まで存しているのは、全くエ....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
まず、最初の一つから、硝子粉、浸剤、硫黄、単寧、水銀、醋、溶和剤、黄斑粉、紅殻、樹脂――と読んでいって結局その頭文字を連ねるのです。すると、そうしたものが、〔G....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
は「帝」だと。 どうぞ本当でないと好いが。 帝とお側の方々が焼けておいでになる。樹脂のある小枝で身をよろうて、 吠えるような歌いざまをして、 一しょに滅びにおい....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
。涙があります。樹が芽を吹くとき、樹の皮に現れるものはまず疵です。苦悩です。次に樹脂――つまり涙です。そして新しい生なる五月の新緑が芽生えます。 わざわざ疵を....
「オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
灰の一部をむしりとって火をつけると、ぷすぷす音を立てて、黒い濃い煙が立ちのぼり、樹脂のような強い悪臭にまじって、動物の毛を焼くような匂いが鼻をおそった。 「ニス....