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橄
「橄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
橄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
の庭を歩いていた。
庭には松や檜《ひのき》の間《あいだ》に、薔薇《ばら》だの、
橄欖《かんらん》だの、月桂《げっけい》だの、西洋の植物が植えてあった。殊に咲き始....
「葱」より 著者:芥川竜之介
声も、すでに三越《みつこし》の旗の上から、蜜を滴《したたら》すように聞え始めた。
橄欖《かんらん》の花の※《にお》いの中に大理石を畳んだ宮殿では、今やミスタア・ダ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
《ろば》の背にジェルサレムへ入られたことを、悲しい最後の夕餉《ゆうげ》のことを、
橄欖《かんらん》の園のおん祈りのことを、………
神父の声は神の言葉のように、薄....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
の向うには家《いえ》だの、湖だの、十字架だの、猥褻《わいせつ》な形をした手だの、
橄欖《かんらん》の枝だの、老人だの、――いろいろのものも映っているらしい。………....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
、高等学校の三年の二学期のことだったろう。赤煉瓦の古ぼけた教室の近くにある一株の
橄欖《かんらん》が、小さい真っ赤な実を結んでいる頃であった。二、三日前から蒼白な....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
包まれて、アルカリ長石、雲母角閃石、輝石等々の微片、それから極めて少量の石英と、
橄欖岩に準長石――」 「何ですって。
橄欖岩に準長石?……ふむ。それに、石英は?」....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
で見たことがあるだろうか」と法水が指先で突いたのは、FRCOの四字を、二十八葉|
橄欖冠で包んである不思議な図案だった。
「これが、天正遣欧使の一人――千々石清左....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
ていました。そこのオテルデコロニーという安宿に皆泊っていて、盛んに毎日その附近に
橄欖の林や美しいシャトウや田舎道などを熱心に描いていたのでした。仕事をしない日は....
「薬」より 著者:井上紅梅
眼のふちを黒くしていたが、この時にこにこして茶碗と茶の葉を持って来て、茶碗の中に
橄欖の実を撮み込んだ。老栓はすぐにその中に湯をさした。 「あの包は上等だ、ほかの....
「博物誌」より 著者:岸田国士
になれるといいけれど……。 ■ 菫――おや、あたしたちはみんな
橄欖章を貰ってるのね。 白い菫――だからさ、なおさら、控え目にしなくっちゃなら....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
スと十二人の使徒の上に、春の夜が深く垂れ下っていた。ニサン十三夜の朧月は、棕樹、
橄欖、無花果の木々を、銀鼠色に燻らせていた。 肉柱の香、沈丁の香、空気は匂いに....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
うしてどうぞ妾達と一緒に、南洋へおいでくださいまし。美しい島でございます。椰子、
橄欖、パプラ、バナナ、いちじくなどの珍らしい木々、獅子だの虎だの麒麟だのの、見事....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
なく沈み、星と露とは常に白く冷やかにちょうど蛋白石のように輝きます。湖水の岸には
橄欖の林あり、瑠璃鳥はその枝に囀る。林の奥に森あり、香り強き樟脳は群れて繁り、繁....
「大きなかしの木」より 著者:小川未明
情で、そのうえ寒く冷たいのでありました。 それも、そのはずで、南からくるのは、
橄欖の林や、香りの高い、いくつかの花園をくぐったり、渡ったりしてきます。これに反....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
る。この方が楽だからである。 そこで、フイルムが変る。 夕方、庄亮の主宰する
橄欖社の小樽支部の人たちや、此処で出している『原始林』の同人たちが五、六人で迎え....