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橋廊
「橋廊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
橋廊の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「足迹」より 著者:徳田秋声
を潜ると、木立ちを切り拓いて作ったような、まだ落着きのない山ばかりの庭を通って、
橋廊下で繋がれた一棟の建物の座敷の縁側へ出るように、飛び石が置いてあった。池の縁....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
た石の柵は、土手というよりもただ低い欄干に過ぎない。 「お宅の庭の流にかかった、
橋廊下の欄干より低いくらいで、……すぐ、富士山の裾を引いた波なんですな。よく風で....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
中に、名号を掛けたばかりで、その外の横縁に、それでも形ばかり階段が残った。以前は
橋廊下で渡ったらしいが、床板の折れ挫げたのを継合せに土に敷いてある。 明神の森....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
咲いている。ここを右へ、折れ曲りになって、七八間、廂はあるが、囲のない、吹抜けの
橋廊下が見えます。暗い奥に、庵が一つ。背後は森で、すぐに、そこに、墓が、卒塔婆が....
「無月物語」より 著者:久生十蘭
うなことはなにも起きなかった。それどころかいままでにないほどのご愛想で、ときどき
橋廊下を渡って葵ノ壺へでかけ、調子をはずした大音声で、二時間ばかりずつ世間話をす....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
。 「お通さん、出てくればいいが……」 武蔵は、本堂と方丈との通路になっている
橋廊架の下に、じっとうずくまっていた。夕餉の物を煮るにおいが生あたたかく漂ってく....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の立場と性格から、兵庫のような自由にはなれないのだった。 その兵庫は今、彼方の
橋廊下を越えて、宗矩の部屋のほうへ渡って来た。 ここの邸は、豪壮を尊んで建築さ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
兵庫さまが、ちょっと、来て欲しいと申されまする」 「はい」 縁づたいに、また、
橋廊下を越えたりして、そこから遠い兵庫の部屋へ訪ねてゆく。――兵庫は縁に腰かけて....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
よ袋詰めにされてしまう。 で、一方をまっすぐ走ったのである。 そこは九|間の
橋廊下。渡るとすぐに部屋がある。右は書院、左は居間、昔、この屋敷の主人、甲賀|世....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
きた輿は、そこの門内へ入った。 と見えてからまもなくのこと。侍の一名が、おくの
橋廊下をこえて、渡殿の蔀の下に平伏していた。 「殿」 それも再三、 「……殿」....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
とまれ高氏は膝の冷えもわすれていた。そのうちに静かな眸をうごかした。はるかな
橋廊下を渡るとどろな足音がふと耳に入ったからである。きらやかな群臣の中に高時のす....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
小坊主が、あわてて駆け戻って来て彼の前に手拭を捧げた。 そこへ最前の室木斎八が
橋廊下の彼方にまた姿を見せて、 「ご家老。おはやくお臨み下さい。ご評議の席は、い....