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機敏
「機敏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
機敏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
っと呼び出されたのはかれこれ六時になりかかっていた。僕は今度は目のくりくりした、
機敏らしい看守《かんしゅ》に案内され、やっと面会室の中にはいることになった。面会....
「或る女」より 著者:有島武郎
る所に、この小さな絵島丸が疲れきった船体を横たえる時、あの木村が例のめまぐるしい
機敏さで、アメリカ風《ふう》になり済ましたらしい物腰で、まわりの景色に釣《つ》り....
「或る女」より 著者:有島武郎
てはいたが、絵画や書の事になると葉子はおぞましくも鑑識の力がなかった。生まれつき
機敏に働く才気のお陰で、見たり聞いたりした所から、美術を愛好する人々と膝《ひざ》....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
犯すべからざる威厳を備えつ。 制帽の庇《ひさし》の下にものすごく潜める眼光は、
機敏と、鋭利と厳酷とを混じたる、異様の光に輝けり。 渠は左右のものを見、上下の....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
吉に反対した廉もあり、主税は面当をされるように擽たく思ったばかりか、少からず敵の
機敏に、不意打を食ったのである。 いや、お断り申しましょう、英吉君に難癖のある....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
だ一人の心の友だ。君はくすんだガラス板に指先を持って行ってほとほととたたく。Kは
機敏に書物から目をあげてこちらを振りかえる。そして驚いたように座を立って来てガラ....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
最も合理的である。特に今日の日本の困難なる状勢を突破して新日本の建設を計るには、
機敏に活動し、最新の科学を驅使する個人的企業にまつべき分野の極めて多いことを考え....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
、青木と田島とが、失望の恨みから、事件を誇張したり、捏造したりしたのだろう、僕が
機敏に逃げたのなら、僕を呼び寄せた坊主をなぐれという騒ぎになった。僕の妻も危険で....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
間を、案内して歩きました。赤星探偵は、ただフンフンと聴問しているばかりで、あまり
機敏らしい様子もありません。しかし三人が兄の死んでいた実験室に入って行ったとき、....
「ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
の時間が、十分間ちかくもありましたが、これは犯罪をやった者の行動としては、すこし
機敏を欠いていると思うです。タップリみても三分間あれば充分の筈です。しかも犯人は....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
問を提出したものもあった。曰く、『焼けた本の目録はありますか?』 丸善は如何に
機敏でも常から焼けるのを待構えて、焼けるべく予想する本の目録を作って置かない。又....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
ずどこかこの付近にいるのに違いない。そういう気がした。そしてもっと熱心に、もっと
機敏に探すならば、今にも雪子姉さんを発見できるのではないか。雪子姉さんはかならず....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ひどいことをやったじゃないか」 「は、見ました。全くおどろきました。しかし上官の
機敏なる判断には、もっとおどろき入ります。もう十分、あの船の上でぐずぐずしていた....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
っててくんねえ、人に言っちゃ悪いぜとばかり、たちまち暗澹たる夜色は黒い布の中へ、
機敏迅速な姿を隠そうとしたのは昨夜の少年。四辺に人がないから、滝さんといって呼留....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
境を脱するため種々苦心し色々の機動を試みたが、十四日払暁突如ラウドンと衝突、適切
機敏なる指揮に依りこれを撃破した。 リーグニッツの不期戦は風前の灯火の感あった....