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「檜物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

檜物の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義人の姿」より 著者:田中貢太郎
て人を呼んだ。横目の五右衛門と云うのが顔をだした。 「吉平殿に水漬を進ぜるから、檜物産から新らしい榧《へぎ》をとりよせて、精進にして出すがよかろう」 五右衛門....
護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
したのである。きょうは風が南に変って、珍らしく暖いと思っていると、酉の上刻に又|檜物町から出火した。おとつい焼け残った町家が、又この火事で焼けた。 十日には又....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
農業も難渋で、そうかと言って塗り物渡世の材料も手に入れがたいところでは、「御免の檜物」と称えて、毎年千数百|駄ずつの檜木を申し受けている村もある。あるいはまた、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
半蔵はそれらの事実から、さらにこの地方の真相を探り求めて、いわゆる木曾谷中の御免檜物荷物なるものに突き当たった。父吉左衛門が彼に残して行った青山家の古帳にも、そ....
日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
神田橋、常盤橋、呉服橋などの橋も門も番所も焼き払い、西河岸から呉服町、南大工町、檜物町、上槇町、それから横に切れて大鋸町、本材木町へ移り、金六町、水谷町、紀国橋....
明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
屋《かじや》に奉公にやってあるのを呼んで見物させて、よそながら別れをかわした上、檜物町《ひものちょう》の、我家の奥蔵の三階へ、彼女たちの父親を呼んで、刃物で心中....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
これを奈良茶と言っておおいに重宝し、間もなく江戸中に広まってそのなかでも、駒形の檜物《ひもの》屋、目黒の柏屋、堺町の祇園屋などがことに有名であった。また同じく金....
すみだ川」より 著者:永井荷風
蘿月宗匠《らげつそうしょう》は早くも名人になるべき素質があると見抜いて、長吉をば檜物町《ひものちょう》でも植木店《うえきだな》でも何処《どこ》でもいいから一流の....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
輪島を筆頭に挙げるでありましょう。はっきりした分業になっていて、まず木地、指物、檜物に分れます。即ち轆轤で椀を挽く者、板を組立てて膳や箱などを作る者、次には檜を....
妖影」より 著者:田中貢太郎
平生頭にあるので、お化けよりも何よりも、この発狂が恐かった。で、その次の日曜日に檜物町にいる精神病専門の友人の処へ話しに往って、夕方になって帰って来たが、呉服橋....
水郷異聞」より 著者:田中貢太郎
舟に乗って、湖縁を××へまで往ってそこから汽車に乗って東京へ帰った。女は日本橋|檜物町の素人屋の二階を借りて棲んでいる金貸をしている者の女で、神田の実業学校へ通....