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欄干
「欄干〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
欄干の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「良夜」より 著者:饗庭篁村
音、氷屋の呼声かえッて熱さを加え、立売の西瓜日を視るの想あり。半ば渡りて立止り、
欄干に倚りて眺むれば、両岸の家々の火、水に映じて涼しさを加え、いずこともなく聞く....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
はまわるし、振り落されないだけが見っけものなんだ。が、その中でも目についたのは、
欄干《らんかん》の外《そと》の見物の間に、芸者らしい女が交《まじ》っている。色の....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
日も万八《まんぱち》の下を大川筋へ出て見ますと、大きく墨をなすったような両国橋の
欄干《らんかん》が、仲秋のかすかな夕明りを揺《ゆらめ》かしている川波の空に、一反....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
柳や槐《えんじゅ》に囲まれながら、酒旗《しゅき》を出した家が一軒見える。朱塗りの
欄干《らんかん》が画《えが》いたように、折れ曲っている容子《ようす》なぞでは、中....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
こうまる》は長沙《ちょうさ》の桟橋へ横着けになった。
僕はその何分か前に甲板の
欄干《らんかん》へ凭《よ》りかかったまま、だんだん左舷《さげん》へ迫って来る湖南....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
た川に糸を下して、頻《しきり》に鮠《はえ》を釣って居りました。すると丁度頭の上の
欄干で、どうも聞いた事のあるような話し声が致しますから、何気なく上を眺めますと、....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
明けない。下から見ると、つめたく露を置いた甍《いらか》や、丹塗《にぬ》りのはげた
欄干に、傾きかかった月の光が、いざよいながら、残っている。が、その門の下は、斜め....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
楼の桟敷が落ちたとか、いろいろの噂が伝わりだした。しかし事実は木橋だった両国橋の
欄干が折れ、大勢の人々の落ちた音だった。僕はのちにこの椿事を幻灯か何かに映したの....
「春」より 著者:芥川竜之介
た。そのまた円形は廊下《ろうか》ほどの幅をぐるりと周囲へ余したまま、白い大理石の
欄干越《らんかんご》しにずっと下の玄関を覗《のぞ》かれるように出来上っていた。彼....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
吾妻橋《あずまばし》の
欄干《らんかん》によって、人が大ぜい立っている。時々巡査が来て小言《こごと》を云....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
僕は籐《とう》の長椅子《ながいす》にぼんやり横になっている。目の前に
欄干《らんかん》のあるところをみると、どうも船の甲板《かんぱん》らしい。
欄干の向....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
ではないのである。 両国の鉄橋は震災前と変らないといっても差支えない。ただ鉄の
欄干の一部はみすぼらしい木造に変っていた。この鉄橋の出来たのはまだ僕の小学時代で....
「竜」より 著者:芥川竜之介
かわらず》、日傘の陰にも、平張《ひらばり》の下にも、あるいはまた桟敷《さじき》の
欄干の後《うしろ》にも、簇々《ぞくぞく》と重なり重なって、朝から午《ひる》へ、午....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
が、さりとて日本風の白木造りでもありませぬ。障子、欄間、床柱などは黒塗り、又縁の
欄干、庇、その他造作の一｜部は丹塗り、と言った具合に、とてもその色彩が複雑で、そ....
「或る女」より 著者:有島武郎
の気なしに葉子を顧みたが、
「寒くでもなったか、口びるが白いぞ」
といいながら
欄干を離れた。二人《ふたり》がその男に後ろを見せて五六歩歩み出すと、
「ちょっと....