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「欝憤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

欝憤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
赤兵の歌」より 著者:江森盛弥
切って走った、 最初の赤旗! ――さア! 合図だ! 心の底に蓄積されていた全ての欝憤、 復讐と、怒りと、憎悪を、 爆発させろ! 俺達の生きた肉をムシャムシャ喰っ....
十番雑記」より 著者:岡本綺堂
失費と面倒とを繰返しているのであろう。どう考えても、怖るべき禍であった。 その欝憤をここに洩らすわけではないが、十番の大通りはひどく路の悪い所である。震災以後....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
《さんのうした》に狐は出ませんから……」 思えばそれも三十余年の昔である。その欝憤《うっぷん》を今ここで晴らさんが為に、わたしが再び読者諸君を化かしたわけではない。....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
な言葉が、台本の中にあろう道理とてはない。或は、日々の悪評に逆上して、溜り切った欝憤を、舞台の上から劇評家達に浴せたのではないかとも考えられた。けれども、冷静そ....
ストリップ修学旅行」より 著者:小野佐世男
心の向くまましたいざんまい、ざっくばらんの無礼講、伊豆の伊東の温泉しぶきに日頃の欝憤厄落し、裸女姫の一大饗宴が開かれると云う、悪くないぞえ、おっしゃる通りの女護....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
を当てるようにして、右の肩口をぐさと貫かれてしまった。 忠直卿は、見事に昨夜の欝憤を晴らした。が、それは彼の心に、新しい淋しさを植えつけたに過ぎなかった。左太....
五重塔」より 著者:幸田露伴
に擲つけるようなものなれば、腹は十分立たれても分別強く堪えて堪えて、誰にも彼にも欝憤を洩らさず知らさず居らるるなるべし、ええ親方は情ない、ほかの奴はともかく清吉....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
ほど不幸なものはあらじ、図らずも夫文治が赦免という有難き日に親の敵を知り、多年の欝憤を霽らさばやと夫と共に旅立ちして、敵討の旅路を渡る山中にて、何の因果か神罰か....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
譜二巻を呉れた。惺々暁斎は平素|猫の様につゝましい風をしながら、一旦酒をあおると欝憤ばらしに狂態百出当る可からざるものがあった。画帖の画も、狸が亀を押しころがし....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ると、所謂ファンというものにでもなる他はない。サラリーマンなどは、この勤労大衆の欝憤を晴らすために、一同に代ってスポーツ・ファンとなるのである。彼等にはその程度....
或る男の手記」より 著者:豊島与志雄
私一人だけだわ。」 「だから考えない方がいいんです。」 「それでも私……。」 「欝憤を晴らすのなら、めちゃくちゃに歩き廻るのが一番いいですよ。」 「先生だって…....
黒点」より 著者:豊島与志雄
なかなか云えなかったし簡単には猶更云えなかった。もし相手が寺田さんだったら、胸の欝憤や疑問をそっくりさらけ出したかも知れないが、お清へは何だかそれが出来なかった....
新妻の手記」より 著者:豊島与志雄
そうだ。」 吉川の方で憤慨していた。伯父さまの言葉をそのまま伝えたのも、一つの欝憤晴らしだったのだろう。――然し私には、伯父さまの言ったことが理解出来る気がし....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
かを、今更きいて見たところで、何の得るところもないだろうと思っているので、日頃の欝憤《うっぷん》などは顔色にも現わさず、努めて機嫌のいい調子をつくり、 「カッフ....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
テッキ》にあるような気がした。彼は例のごとく蛇《へび》の頭を握って、寒さに対する欝憤《うっぷん》を晴らすごとくに、二三度それを烈《はげ》しく振った。その時待ち佗....