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欠ける
「欠ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
欠けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「Kの昇天」より 著者:梶井基次郎
対面の夜から、私達は毎日訪ね合ったり、一緒に散歩したりするようになりました。月が
欠けるに随《したが》って、K君もあんな夜更けに海へ出ることはなくなりました。 ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
と微笑ましいものを感じた。及第させるならば、三人とも及第させてやりたい、一人だけ
欠けると可哀相だという気持だった。豹一が自分の点で落第しそうだったら助け舟を出し....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
の代償として相手のポケットへチョコレート等をねじこんでおくべきだ。そういう仁義に
欠ける者は、猫畜生に劣る」 犬畜生というべきところを猫畜生といったのを勘考する....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
として相手のポケットへ、チョコレートか何かをねじこんでおくべきだ。そういう仁義に
欠ける者は猫畜生にも劣る”――というのがありますがな、猫畜生なる言葉は適切ではな....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
拘置してある土居三津子だと、自分の心の中には確信していた。只いささか満足するには
欠けることは、三津子が旗田鶴彌を射撃するに使ったピストルが発見されないことであっ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
数にある。獄舎制度も面白くないが、教育制度も甚だ面白くない。まるきり心霊の知識を
欠ける人類は半盲人である。到底|碌な考えの浮ぶ筈がない。私は衷心から、日本国民よ....
「ラジオ・ドラマ私見」より 著者:岸田国士
も、一方、しばしば、大切な作品の生命が稀薄になり、底からにじみ出るような美しさに
欠けることがある。 ラジオ・ドラマも、それとほゞ同じことが言えそうに思う。作者....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
内に、濁流の支配する処となった、所謂現時の上流社会なるものが、精神的趣味の修養を
欠ける結果、品位ある娯楽を解するの頭脳がないのである、彼等が蕩々相率ひて、浅薄下....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
まあ、仕様がない。毎年親子四人が欠かさずに月を拝んでいるのに、今年だけはあいつが
欠けるのか。 柳 そう思うと、わたしも何だか寂しいような気もするが、いつまで待っ....
「城」より 著者:カフカフランツ
かしさを過小に評価していると思わないで下さい。役所に対する畏敬では、わたしたちに
欠けるところはありません。それはあなた自身がおっしゃったことだわ」
「でも、それ....
「フランス料理について」より 著者:北大路魯山人
る程度。肉がなくて魚がない。それでいて工夫が稚拙、料理の美を知らない。行儀作法に
欠けるボーイ、辛うじて料理はオリーブ油に助けられている始末である。 それにフラ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
人の多きに及べりという。これがために汽車の運動を休止せる所あり、物価もその供給を
欠けるために騰貴をきたせり。各停車場内には兵隊の警備せるあり、あたかも戦場に入る....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
酷なやりかたですが、そんなことは言っておられませんので」 「スポーツマンシップに
欠けるようですが、お考えどおり、ガラスの破片をよういさせましょう。目に見えない怪....
「序に代えて」より 著者:北大路魯山人
料理も真剣になって考えますと、段々頭が精密になってきます。つまり、精密な頭が
欠ける場合は、美味い料理ができないということであります。お互いに、どうせ日々三度....
「日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
く考慮しなければならない必要がある。 西洋料理や中国料理は、食品原料の持ち味に
欠けるものが少なくないために、料理する際に、盛んにいろいろな補助味を使って調味し....