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「欠目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

欠目の前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
蛛の巣を引くような糸車の音が何家ともなく戸外へ漏れる。路傍に石の古井筒があるが、欠目に青苔の生えた、それにも濡色はなく、ばさばさ燥いで、流も乾びている。そこいら....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
溢れてくる水に、自然の傾斜を辿らせたのだった。そして、扉の閾に明いている、漆喰の欠目から導いて、その水流を殯室の中へ落ち込ませたに相違ない。そこで、扉を開くこと....
海の使者」より 著者:泉鏡花
ちょうど二、三日前、激しく雨水の落とした後の、汀が崩れて、草の根のまだ白い泥土の欠目から、楔の弛んだ、洪水の引いた天井裏見るような、横木と橋板との暗い中を見たが....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
シュな人体電気を放散させていたに違いあるまいが、一方宗教家に特有で、人間としては欠目のように思われる、あの、こまかい、なやましい、而かもそれ故にこそ魅力があり、....