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欣び
「欣び〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
欣びの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
プを取巻いて野次連は色々と評定やら噂やらをやっている。 しかし、貧民窟の人々は
欣び勇んで、小踊りしつつ、吸上げられて行く。 ちょうど昼休みになったものだから....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
なさるように工まぬとも限らない。今度の御出陣|殊に大事である」と。家康その忠言を
欣び、わざと多くの軍勢を引きつれずに行ったのだ。出先で敗れても、国許が手薄になら....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
妻とを弔うて居りました。その夜は、仏壇に燈明を灯して、姉と母との霊に、犯人逮捕の
欣びを告げました。 私は、初て現代の日本の警察制度に感謝しました。そして、天網....
「屋上の狂人」より 著者:菊池寛
にとりついとる狐が誑《だま》しよるんやがなあ。降りんかい。 義太郎 (狂人らしい
欣びに溢れて)面白うやりよるわい。わしも行きたいなあ。待っといで、わしも行くけに....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
は」と、石工は心なげに笑った。 実之助は、本懐を達すること、はや眼前にありと、
欣び勇んだ。が、彼はあわててはならぬと思った。 「して、出入り口はここ一カ所か」....
「志賀直哉氏の作品」より 著者:菊池寛
真のリアリストである一つの有力な証拠だが、氏はこの観照を如何なる悲しみの時にも、
欣びの時にも、必死の場合にも、眩まされはしないようである。これは誰かが言ったよう....
「俊寛」より 著者:菊池寛
。やがて、船は岸から三反とない沖へ錨を投げる。三人は岸辺に立ちながら、声を合せて
欣びの声をあげた。さすがに、俊寛をも除外しないで、三人は、手をとりあったまま、声....
「ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
の内は、華やかな交情を得たことを欣《よろこ》んでいた。従っていろいろなものをその
欣びの中に包んでいたが、その
欣びによっても紛らせきれないものが、時々大尉の神経に....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
回った頃だろう。星明りのうちに潮が堂の真下まで満ちているのが分かった。 二人は
欣び勇んで舟に乗った。が、櫂《かい》を取って、漕ぎ出そうとすると、肝心な櫓臍《ろ....
「大力物語」より 著者:菊池寛
ましめてから許してやった。その後美濃狐は、小川の市に来なくなったので、市人達は皆
欣び合って、平かな交易がつづいた。 この尾張の女は、そうした大力にも似合わず、....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
ちにしていたらしい令嬢の路子は、さっぱりした趣味のよいアフタヌーンを被て、新子を
欣び迎えてくれた。 絹ばりの壁や、カーテンの快い色彩、置き棚や卓子の上に飾られ....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
靠せながら、身を横ざまに伸したのである。 が、騒々しい酒宴の席から、身を脱れた
欣びは、直ぐ消えてしまって、芸の苦心が再びひしひしと胸に迫って来る。明日からは稽....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
を、ちょっと不安な顔付で取り上げたが、中の書状を読んでいるうちに、彼の不安な顔は
欣びで崩れてしまった。 「諸君! お
欣びなされい! かねての宿願が叶い申したぞ。....
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
署した嘆願書が出ていたほどですから、当人をはじめ、一村|挙《こぞ》って小躍りして
欣びました。 まだ、こんな事件を数えるなら、いくつもありましょう。若杉裁判長と....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
が、旧式立食形なる軒先の小店で狭小であり、粗末であり紳士向きではない。ただ口福の
欣びを感ずるのみである。 しかし、本店のおやじがジャズ調であるのに反し、支店は....