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欲
「欲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
欲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
ました。
すると、大男は笑いながら、
「高が犬を一匹くれなどとは、お前も余っ程
欲のない男だ。しかしその
欲のないのも感心だから、ほかにはまたとないような不思議な....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
や》と浮《うか》び出た二つの乳房《ちぶさ》は、ほとんどオルガンティノの眼には、情
欲そのものとしか思われなかった。彼は泥烏須《デウス》を念じながら、一心に顔をそむ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
困難である。疑うものは弁護士を見よ。
×
矜誇《きょうか》、愛
欲、疑惑――あらゆる罪は三千年来、この三者から発している。同時にまたおそらくはあ....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
も相手の傍若無人《ぼうじゃくぶじん》なのにあきれたらしい。
「いくらお前、わしが
欲ばりでも、……せめて、銀ででもあれば、格別さ。……とにかく、金無垢だぜ。あの煙....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
がある日慎太郎に、新しい帽子《ぼうし》を買って来た事があった。それは兼ね兼ね彼が
欲しがっていた、庇《ひさし》の長い大黒帽《だいこくぼう》だった。するとそれを見た....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
年《ことし》の春頃から、何ともつかずに煩《わずら》い出した。咳《せき》が出る、食
欲《しょくよく》が進まない、熱が高まると言う始末《しまつ》である、しのは力の及ぶ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
るも、氏は常に奇怪なる恐迫観念を有したるが如し。然れども吾人《ごじん》の問わんと
欲するは忍野氏の病名|如何《いかん》にあらず。常子夫人の夫たる忍野氏の責任如何に....
「運」より 著者:芥川竜之介
に好《い》い女だったかい。」
「左様でございます。気だてと云い、顔と云い、手前の
欲目では、まずどこへ出しても、恥しくないと思いましたがな。」
「惜しい事に、昔さ....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
又チエホフの主人公と、面目を異にする所以なり。久保田君と君の主人公とは、撓めんと
欲すれば撓むることを得れども、折ることは必しも容易ならざるもの、――たとえば、雪....
「墓」より 著者:秋田滋
でした。わたくしは何ものも、何ものも望まなかったのであります。わたくしにはもう、
欲しいものは何ひとつ無かったのであります。 ところが、ある夕ぐれのことでした。....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
消化によるとも云える。芸術家に創作的情熱をあたえるのも消化である。若い男女に愛の
欲望をあたえるのも消化である。思想化に明徹な観念をあたえるのも、すべての人間に生....
「初雪」より 著者:秋田滋
たことでもあったかね? どうだい、ご機嫌は?」 良人は幸福で、頑健で、ねッから
欲のない男だった。こうして簡易な、健全な、穏やかなその日その日を送っていれば、も....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
い。 これらの理由により、科学者たらんとする者のために、大科学者の伝記があって
欲しい。というのは、まず科学そのものを味った人であることが必要であると同時に多少....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
と、単純にものを信じやすいところとが妙にまじりあっていた。不可思議なことを好む食
欲も、またそれを消化する力もなみなみでなかった。しかも、それが両方ともに彼がこの....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
郎右衛門は、その時伊作に向って、 「己ら、子供が不憫だわで、つれて行くども、金が
欲しくて子供をつれて行くんでねい。」 と言ってどうしても金を受取りませんでした。....