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「欲しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

欲しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
の神が、お前に犬をやったそうだから、己も今日は礼をしようと思ってやって来た。何か欲しいものがあるのなら、遠慮なく言うが好い。己は葛城山の手一《てひと》つの神だ。....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
どもが予を殺害しようとするのは、全く金銀が欲しさにする仕事であろうな。さて金銀が欲しいとあれば、予はその方どもに何なりと望み次第の褒美を取らすであろう。が、その....
二人小町」より 著者:芥川竜之介
、それさえわかれば好《よ》いのです。 使 では何でも云いつけて下さい。あなたの欲しいものは何ですか? 火鼠《ひねずみ》の裘《かわごろも》ですか、蓬莱《ほうらい....
羅生門」より 著者:芥川竜之介
それから、大儀《たいぎ》そうに立上った。夕冷えのする京都は、もう火桶《ひおけ》が欲しいほどの寒さである。風は門の柱と柱との間を、夕闇と共に遠慮なく、吹きぬける。....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
「何の、縁談の。」と繰返しましたが、やはり同じようなぼやけた声で、「おぬし、女が欲しいでの。」と、のっけから鼻で笑ったと云います。新蔵はじりじり業の煮えるのをこ....
星座」より 著者:有島武郎
しい底力、それはもうこの家には、どの隅にも塵ほども残っていない。……淋しい、父が欲しい。父がもう一度欲しい。父のあの骨ばった手をもう一度自分の肩に感じてみたい。....
追憶」より 著者:芥川竜之介
出かけると、なぜか一円の本を買ったことはなかった。しかし一円出しさえすれば、僕が欲しいと思う本は手にはいるのに違いなかった。僕はたびたび七十銭か八十銭の本を持っ....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
るのであります。今の日本国民は、この時局をどういうふうにして解決するか、見通しが欲しいのです。予言が欲しいのです。ヒットラーが天下を取りました。それを可能にした....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
読めは読めたが、思わく違いに当惑いた。全くまごつくじゃ無えか。 虫の娘を人間が欲しいと云って来やがったんだ。 じりじりと板挾みにする様に照り付けて居た暑さがひ....
」より 著者:池谷信三郎
いた。………… 三階の洋服売場の前へひょっこりと彼が現れた。 ――モーニングが欲しいんだが。 ――はあ、お誂えで? ――今晩ぜひ要るのだが。 ――それは、……....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
出しました。―― 『姫さまが今回神社にお入りなされるにつけては、是非神馬が一|頭欲しいと思いまするが……。』 『ナニ神馬?』と私はびっくりしまして『そなたは又何....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
うので、私などもよく買いに行ったものだが、いつも詰らない飴細工ばかり引き当てて、欲しいと思う橋弁慶なぞは、何時も取ったことがなく落胆したものだった。 物売りの....
」より 著者:秋田滋
でした。わたくしは何ものも、何ものも望まなかったのであります。わたくしにはもう、欲しいものは何ひとつ無かったのであります。 ところが、ある夕ぐれのことでした。....
初雪」より 著者:秋田滋
またしても煖房のことを口にするようになった。けれども、良人はそれを自分の妻が月が欲しいと云っているぐらいに聞き流していた。そんな装置を片田舎のパルヴィールに据え....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
い。 これらの理由により、科学者たらんとする者のために、大科学者の伝記があって欲しい。というのは、まず科学そのものを味った人であることが必要であると同時に多少....