»
欲求
「欲求〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
欲求の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
のに、思いもかけぬ貪婪《どんらん》な陋劣《ろうれつ》な情欲の持ち主で、しかもその
欲求を貧弱な体質で表わそうとするのに出っくわすと、葉子は今まで自分でも気がつかず....
「或る女」より 著者:有島武郎
自身を思う存分しいたげようとした。そこには倉地の愛を少しでも多く自分につなぎたい
欲求も手伝ってはいたけれども、倉地の手で極度の苦痛を感ずる事に不満足きわまる満足....
「星座」より 著者:有島武郎
易に専有《せんゆう》することのできない宝《たから》だと考えれば考えるほど、無体な
欲求は激しくなった。教師としてこれほど信頼されているのをという後ろめたさを彼は知....
「想片」より 著者:有島武郎
私は信じている。この本能が環境の不調和によって伸びきらない時、すなわちこの本能の
欲求が物質的換算法によって取り扱われようとする時、そこにいわゆる社会問題なるもの....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
してしまっているのである。 四 かくて今や我々には、自己主張の強烈な
欲求が残っているのみである。自然主義発生当時と同じく、今なお理想を失い、方向を失....
「放送された遺言」より 著者:海野十三
ばならぬと思います。しかるに現代はこの立派な埓を乱暴にも蹴破って神を怖れぬ仕儀や
欲求が平然と行なわれるようになっていると思います。 いまここに一例を申し上げま....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ない。充分の思慮もせずにこんな生活の渦巻の中に我れから飛び込んだのを、君の芸術的
欲求はどこかで悔やんでいた。その晩、磯臭い空気のこもった部屋の中で、枕につきなが....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
。知ることは出来ない。が、知ろうとは欲する。人は生れると直ちにこの「不可能」と「
欲求」との間にさいなまれる。不可能であるという理由で私は
欲求を抛つことが出来ない....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
た。 それでもその中の奥底には生命の微光の耀いはあった。 動いていた最初のものは
欲求であった、 それが生命の霊の最初の象徴であった、 霊魂の奥底を探り求めた賢人....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
匹敵し得ざることを認め、急速に方向を轉換するに到つた。 自由主義は人類の本能的
欲求であり、進歩の原動力である。これにたいし、統制は專制と自由を綜合開顯せる指導....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
よく唇に受けてじゅうぶんに引くのであった。人間は息のとまるまでは、生きようとする
欲求は消えないものらしい。 六 いささか長いに閉口するだろうが....
「春昼」より 著者:泉鏡花
書き散らして参った。怪しからぬ事と、さ、それも人によりけり、御経にも、若有女人設
欲求男、とありまするから、一概に咎め立てはいたさんけれども。あれがために一人殺し....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
。慈悲心にとみ、熱情にとみ、自己を忘れて真理を求め、神業一つを睨みつめて、現世的
欲求を棄てて顧みない人物がほしいのである。そんな人格が暁天の星の如く稀であるべき....
「「別居」について」より 著者:伊藤野枝
はなくていつでも焦慮でした。 二 「どうにかしなければならない」という
欲求はしばらくの間も私を離れたことはありませんが、そういう場合にはことに強く来ま....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
てさえ道義より力、物を中心としていた時代が多い。覇道は動物的本能であり、王道への
欲求、憧憬が人間の万物の霊長たる所以である。今後も人類は本能の暴露を繰返すであろ....