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欺き
「欺き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
欺きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
》などと申す唄も、流行《はや》りました由を聞き及びました。それほどまでに、天下を
欺き了《おお》せるのは、よくよくの事でなければ出来ますまい。先頃|天野弥左衛門《....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
み物としか思えない。自分もいままではどうかすると、哲学とか宗教とかいって、自分を
欺き人を欺いたことが、しみじみ恥ずかしくてならなくなった。 真に愛するものを持....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が予定の計画通りに女房と番頭とを亡した。しかもそれを巧みに心中と見せかけて世間を
欺き、あわせて検視の役人の眼を晦ました。 これまでは先ず彼等の思いのままに進行....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
も早く多年の本懐を達するに若くはないと。幸太郎は、そう決心すると、翌七日、黙昭を
欺き寄せて多年の本懐を達したのである。 父の弥五兵衛が討たれてから四十一年目、....
「転機」より 著者:伊藤野枝
の勉強』をも、『乞食の名誉』をも甘受するか。」 もちろん私はどこまでも、自分を
欺きとおして暮らしていけるという自信はない。そのくらいなら、これほど苦しまないで....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
以後も、彼はただ、今はもうそうせずには生きてゆくことができない欺瞞で、自他ともに
欺きながら生きているのです。彼はもう、今はおそらく仲間や、少くとも仲間の人達が近....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
に懸想なし、頑にしょうじ着きて離るべくもなかりしを、その夫|何某智慧ある人にて、
欺きて蛇に約し、汝巨鷲の頭|三個を得て、それを我に渡しなば、妻をやらむとこたえし....
「置土産」より 著者:国木田独歩
にて、 『吉さんどうかしたの。』 『少し風邪を引いて二日ばかり休みました』と自ら
欺き人をごまかすことのできざる性分のくせに嘘をつけば、人々疑わず、それはそれはし....
「おとずれ」より 著者:国木田独歩
雨舞い込みてわが面を払えば何となく秋の心地せらる、ただ萌え出ずる青葉のみは季節を
欺き得ず、げに夏の初め、この年の春はこの長雨にて永久に逝きたり。宮本二郎は言うま....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
、(その姿のゆうにやさしく、色の清げに美しさは、古井戸を且つ蔽いし卯の花の雪をも
欺きぬ。……類なき艶色、前の日七尾の海の渡船にて見参らせし女性にも勝りて)……と....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
を追慕し、夢の情感によりて妊孕せし等、おおむね架空の談柄たるに過ぎず。これ、自ら
欺き人を
欺き、夢を利用し、自らためにするところのものあり。それ、かくのごときは、....
「迷信解」より 著者:井上円了
、出雲大社の竜灯、備中|吉備津の宮の釜鳴り等、鬼神の威光に託して、巫覡等の愚民を
欺き、銭を求むるの術とす。そのほか讃岐の金比羅、大和の大峰など種々の霊怪を唱え、....
「時勢と道徳観念」より 著者:喜田貞吉
りて遁るる語」に、阿蘇史某が夜更けて西の京より帰る途中で強盗に遇って、甘くこれを
欺き無事に難を免れた話がある。家に帰ってその妻に途中の出来事の話をすると、妻はひ....
「道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
の疑問に充たされている。しかもその結局は、これが為に彼ら姉弟が神教を矯めて天皇を
欺き奉ったという罪名を以て、罪科に処せられた事によってともかくも一旦は落着した。....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ると、例のサラット・チャンドラ・ダース師が今より二十二、三年前にチベットの官吏を
欺き旅行券を取ってまんまとチベットに入り込んでそうしてチベットの仏法を盗んでイン....