款冬[語句情報] » 款冬

「款冬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

款冬の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
柿の種」より 著者:寺田寅彦
らを買って来て、隣家との境の石垣の根に植えておいた。 そのまわりに年々生い茂る款冬などに負かされるのか、いっこうに大きくもならず、一度も花をつけたことは無かっ....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
て、後から追い冠せて来るときには、一行はまた、森の中の人となっていた。森の中には款冬の濶葉が傘のように高い。ドウダンツツジの葉と、背向きになって、翠い地紙に、赭....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
の凹凸が、鮮明に流動している、私はそれに見惚れていたが、ふと足許を見ると、大きな款冬の濶葉のおもてが、方々に喰い取られたような、穴を明けられ、繊維が細かい網を織....
食道楽」より 著者:村井弦斎
る。梅干を使わない時は酢《す》の物《もの》を拵《こしら》えるとか百合のない時には款冬《ふき》の薹《とう》とか鮎《あゆ》のウルカとか必ず苦味と酸味を膳の上に欠かな....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
て塚や墓も数箇所にある。 また古典のうえでは“――木曾は信濃を出でしより、巴、款冬とて二人の美女を具せられたり”とみえ、山吹の名にはむずかしい字が当ててある。....