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歌曲
「歌曲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歌曲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:太宰治
二人は黙っている。 男は、やがて低く口笛を吹いた。戦争中にはやった少年航空兵の
歌曲のようであった。 女は、ぽつんと言った。 「あしたは、まっすぐに家《うち》....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
て、「君もなかなか器用ですねえ」と感心した。清三はこのごろ集めた譜のついた新しい
歌曲をオルガンに合わせてひいてみせた。 冬はいよいよ寒くなった。昼の雨は夜の霙....
「田丸先生の追憶」より 著者:寺田寅彦
そのヴァイオリンはもはや昔の九円のではなかったのである。先生はよくシューベルトの
歌曲を歌って聞かせられたが、お得意のレペルトアルは、〔Sta:ndchen, A....
「糸車」より 著者:寺田寅彦
のように軽快で陽気で、日本の糸車のような俳諧はどこにもない。また、シューベルトの
歌曲「糸車のグレーチヘン」は六拍子であって、その伴奏のあの特徴ある六連音の波のう....
「入梅」より 著者:久坂葉子
だった。行雄が傍に来て一つのネクタイを指し、これがいいと云ったのは、シューマンの
歌曲の中の「うるわしの五月」だった。それは濃いみどりの中にあさいみどりとえんじで....
「幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
に(Avecun pale Colonel)と書いてくれたわけ。それは、ミローの
歌曲のある一つの詩の一節に出て来るんです。ところが、この詩の曲は、レコードには省....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
に、河は西南独逸の山中から細くなって出て来ている。僕は民顕に来てから、などという
歌曲に因るのみではなかった。 僕は地図のうえのその細い流を実地に見たいとおもい....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
》り言をいったり、馬鹿野郎と自分をけなしてみたり、あるいは賛美歌の断片や感傷的な
歌曲《リード》や戦《いくさ》の行進曲や酒の唄《うた》などをごっちゃにないまぜて、....
「思い」より 著者:伊丹万作
き、実に厳粛かつ沈痛なる思いに沈んでいたところが、たまたま耳に流れてくるラジオの
歌曲の相も変らぬ低劣浮薄な享楽調に思わず耳をおおいたくなつた。 これらのラジオ....
「美音会」より 著者:佐藤垢石
したら良いだろうね』と朝日の老人が黄色い声で言う。 『フーン』と桃水君が答える。
歌曲をじっと聞いていると悲壮な心持ちになる。舞はこれと反対に頗る優雅だ。この悲壮....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
べて苔下にニヤリと脂下ったろう。「死んでまでも『今なるぞ』節の英雄と同列したるは
歌曲を生命とする緑雨一代の面目に候」とでも冥土から端書が来る処だった。 緑雨の....
「古事記」より 著者:武田祐吉
唱え、その採録されたものもある。その外、祭の詞から拔け出して語り傳えられたもの、
歌曲舞曲などの形で傳えられたものもあり、民間に語り傳えられたものもあつて、その傳....
「古事記」より 著者:太安万侶
も申します。 ヤチホコの神の歌物語 ――長い歌の贈答を中心とした物語で、もと
歌曲として歌い傳えられたもの。―― このヤチホコの神(大國主の命)が、越の....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
かしら。」F君がまたこちらを眼鏡越しに透かした。 「それは年代が経つうちに、その
歌曲に合せた新作も出来るでしょうし、諸国の俚謡だの、小唄などが混入して歌われるこ....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
de Beethoven, 1906.〕 ド・キュルゾン――『ベートーヴェンの
歌曲および歌謡集抜萃』(一九〇六年) Otto Jahn.――Leonore, ....