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歌留多
「歌留多〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歌留多の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
た話によれば病院の医者や看護婦たちは旧正月を祝《いわ》うために夜更《よふ》けまで
歌留多《かるた》会をつづけていた。彼はその騒《さわ》ぎに眠られないのを怒《いか》....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
娘お勝で、いずれも明けて十八の同い年である。 今夜は関口台町の鈴木という屋敷に
歌留多《かるた》の会があったので、二人は宵からそこへ招かれて行った。いつの世にも....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
せんでしたか」 無論に心当りはないと軍右衛門は躊躇せずに答えた。ゆうべは屋敷に
歌留多《かるた》会の催しがあって、親類の人たちや隣り屋敷の子息や娘や、大供小供を....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
もないけれど、母様がね、それはね、実に注意深いんですから、何だか、そうねえ、春の
歌留多会時分から、有りもしない事でもありそうに疑っているようなの。もしかしたら、....
「河明り」より 著者:岡本かの子
働きに、極力用心しながら、室内の娘を見ると、いよいよ鮮かに何の屈托もない様子で、
歌留多の札を配っている。私はふと気がついて、 「あの女は、自分の愛の悩みをさえ、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
は若い御婦人の気が詰ろう。若いものは若い同士、本家の方へお連れ申して、土用正月、
歌留多でも取って遊ぶが可い、嫁もさぞ喜ぼう、と難有いは、親でのう。 そこで、そ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
めているんです。 その何ですとさ、会社の重役の放蕩息子が、ダイヤの指輪で、春の
歌留多に、ニチャリと、お稲ちゃんの手を圧えて、おお可厭だ。」 と払う真似して、....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
の店で、十二三人、気の置けない会合があって、狭い卓子を囲んだから、端から端へ杯が
歌留多のようにはずむにつけ、店の亭主が向顱巻で気競うから菊正宗の酔が一層|烈しい....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
しに汚すと云って厭がったっけ。死んだ阿母が大事にしていた、絵も、歌の文字も、対の
歌留多が別にあってね、極彩色の口絵の八九枚入った、綺麗な本の小倉百人一首というの....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
一 「このくらいな事が……何の……小児のうち
歌留多を取りに行ったと思えば――」 越前の府、武生の、侘しい旅宿の、雪に埋れた....
「妖婆」より 著者:岡本綺堂
五日の夜に、麹町谷町の北側、すなわち今日の下二番町の高原織衛という旗本の屋敷で、
歌留多の会が催された。あつまって来た若侍は二十人余りであったが、そのなかで八番目....
「食べもの」より 著者:佐藤垢石
あるまいが、片品川の畔の追貝付近や、尾瀬に近い戸倉あたりは、昔から水田に乏しく、
歌留多ほどの山田が、峡のかげに僅かに見えるばかりである。 多野郡の奥の裏秩父に....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
この婦人の写真なのである。 写真は、蓮行寺の摩耶夫人の御堂の壇の片隅に、千枚の
歌留多を乱して積んだような写真の中から見出された。たとえば千枚千人の婦女が、一人....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
十銭以上の双六などがよく売れたものだと思うが、今日と違って、歳暮や年玉の贈答品に
歌留多や双六のたぐいが多く行なわれたので、その方面の需要が多かったのであろうかと....
「「明治のおもかげ」序にかえて」より 著者:喜多村緑郎
が多かった。 落語に、商家の子息が発句に凝って締出しをくう、と、向うの家の娘も
歌留多の集りで遅くなって家へはいれない。そこで同情して、男が誘って伯父の処へ泊め....