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歎声
「歎声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歎声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
形を縫いだして、このネオン横丁の入口に立ったものは、その絢爛たる空間美に、呀ッと
歎声を発せずにはいられない筈である。だが唯今は丑満時をすこし廻った午前四時ちかく....
「火星探険」より 著者:海野十三
わる」 「へへへへ、これはおそれ入りました」 たいへんな繁昌ぶりである。笑声と
歎声が入りまじってその賑《にぎや》かさったらない。張もネッドも大汗をかいている。....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
たのだというのか。こいつは驚異じゃ」 「何ですって?」 と、ヤーネルが大統領の
歎声を聞きとがめ、 「ああ大統領閣下。金博士ごとき東洋人にたぶらかされてはなりま....
「小説の内容論」より 著者:豊島与志雄
あって内容的の進歩がないから。これだけの事件もしくは人物を巧に描いただけだという
歎声は、何に由来するかを考えてみるがよい。それは行きづまった一つの証拠でないか。....
「性格批判の問題」より 著者:豊島与志雄
践とか云っても要するに人物性格の問題だと、実際運動にたずさわった多くの人が最後の
歎声をもらす、その真実のところを、左翼作家の多くが文学創作に当って考えることの少....
「形態について」より 著者:豊島与志雄
を主とする作家としては当然のことかも知れないが、然し、如何なる作家も、これに似た
歎声を発しないものが果してあろうか。観察眼の特殊な修練と緊張とがない限り、人は形....
「新時代の「童話」」より 著者:豊島与志雄
ジィドなどの思想とも、関連を持っている。斯くて、何か一つの欲望が欲望されるという
歎声になる。 このハムレットを、上述の境に置いてみるがいい。彼は後方を振向いて....
「中支生活者」より 著者:豊島与志雄
西湖ともなるだろう。が然し、揚子江の水は赤く濁り、沿岸の支那海も赤く濁っている。
歎声はそこから起るのである。....
「山上湖」より 著者:豊島与志雄
思いをし、とっさに平田を顧みた。 「ほう。」ただ一言、それも殆んど感情のこもらぬ
歎声を発して、平田は前屈みに、あちこち頭を動かして眺めている。私には何とも言って....
「暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
下際から一|吋ばかり上の処を、見事に貫通した穴があった。 「ああ!」 検察官は
歎声を上げた。 「どうしてあんなものに目が止まったのですか?」 「いや私は探して....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
その生命ばかりでなく、祖国否天賦の大塊をも破滅せらるるのか」などという、絶望的の
歎声さえ起って、さしもに広い大会堂も、殆ど暗澹たる憂愁の雲に被われて仕舞った。 ....
「澪標」より 著者:外村繁
を向いてしまっている。 「いやいや、これは素晴しい」 茫漠とした感情の中から、
歎声だけが頻りに洩れる。妻も満足な様子である。 雪が止んだ。 「あれが月山、真....
「心霊の抱く金塊」より 著者:大倉燁子
文字にきゅッと結び、皆を見廻した。隣席にいた人は、その時、思わず低い呻きのような
歎声をもらした。 × × × 五億万円ばかりの金塊が、ある洞窟....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
もならず、荷物の間にすくんでいると、幕溜りから覗き見している朋輩達の思わずもらす
歎声が耳に入った。 「まあ! 素晴らしい出来だわね」 「大した芸ねえ。家元さん以....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
睫毛に覆われた眼は切れが長いらしく、開いたらどんなに美しかろう、本庄は思わず低い
歎声をもらして見惚れてしまった。 可哀想に、――彼女の洋服は胸から肩へかけて、....