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歎美
「歎美〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歎美の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
大なる力の実現であるから、その要求は極めて厳粛である。カントも「我々が常に無限の
歎美と畏敬《いけい》とを以て見る者が二つある、一は上にかかる星斗|爛漫《らんまん....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
丹波酸漿が二本。いずれも紅いカラのまゝ虫一つ喰って居ない。「まあ見事な」と主婦が
歎美の声を放つ。「私の乳母が丹精して大事に大事に育てたのです」と婦人が誇り貌に口....
「禰宜様宮田」より 著者:宮本百合子
かかっているこの山の姿ばかりは、まったく素晴らしい美しさをもって、あらゆるものの
歎美の的となっているのである。 山は白銀である。 そして紺碧である。 頂に....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
切腹、義死、憤死等の心理又は、普通の自殺者の遺書等の中に発見さるる夢の如き「自己
歎美」又は、甘美なる涙を含む「自己陶酔」の心理の裏面にはこの種の変態心理の多少を....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
魄を遺憾なく発揮したものであった。 しかしこれに相対した女の態度も亦、たしかに
歎美に値した。 女は、いつの間にか椅子を離れて、恰も相手の狙いを正しくしてやる....
「探偵小説の真使命」より 著者:夢野久作
である。芸術の守護神を冒涜する事を専門とする反逆芸術である。昔の芸術は、衣裳美の
歎美を以て能事終れりとした。それが更に進んでその衣裳を剥ぎ取った肉体美の鑑賞を事....
「文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
に漫言放言であって決して、文章というべき者ではないと言い、予が「三酔人」の文字を
歎美するに対しては、彼の書は一時の遊戯文字で甚だ稚気がある。詰らぬ物だ。と謙遜し....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
立派な本だった。 「なるほどね。一代男とはいい思いつきだ。Mさんは夙くから西鶴の
歎美者だったしそれに一代男というと……。」 銀行家は、禿げた前額を撫上げながら....
「アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
幻に過ぎないかもしれない。 三元的な彫刻には多少の同情がある。特に建築の美には
歎美を惜しまないそうである。 そう云えば音楽はあらゆる芸術の中で唯一の四元的の....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
、既に釣台で舁がれて来た、患者の、危篤である事はいうまでもない。 「実はその人を
歎美して申すのですから、景気よくお話はしますけれども、第一|私がもうこういう内に....