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「歓心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歓心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
口実のもとに父母の金銭を盗もうとした。それでもまだ金の足りない時には巧みに両親の歓心を買い、翌月の小遣いを捲《ま》き上げようとした。就中《なかんずく》彼に甘かっ....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
帯のライカで景色など撮《うつ》していたが、にわかに柚木に慣れ慣れしくして、柚木の歓心を得ることにかけて、芸妓たちに勝越そうとする態度を露骨に見せたりした。 そ....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
》われ、国主という大権力者の前に引き据えられて是非もなく、できるだけその権力者の歓心を得ようという、切羽詰まった最後の逃げ道に過ぎないのだ。 が、この女が自分....
河明り」より 著者:岡本かの子
木下は思った。その上子供の木下に向って、掻餅を与えながら、一種の手柄顔と、媚びと歓心を求める造り笑いは、木下に嫌厭を催させた。堺屋のおふくろは箸を投げ捨て、怒っ....
」より 著者:金子ふみ子
、そのためわざと籍を入れなかったのだとの事である。ことによるとこれは、父が叔母の歓心を得るためのでたらめの告白であったかもしれない。ことによるとまた、父のいわゆ....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
なるにぞ、老婆も叱言いう遑なく、同時に吻々と吹き出しける。 蝦蟇法師は※りて、歓心を購えりとや思いけむ、悦気満面に満ち溢れて、うな、うな、と笑いつつ、頻りにも....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
は極めて巧妙、その行動は甚だ敏活、巧みにわれ等の事業を摸倣し、ひたすら迷える者の歓心を買うべくつとめるから、其伝播力、感染力は驚くべく強大である。彼等は神の敵で....
わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
、その日は特別ひどかつた。彼は不快な夢を見た。夢の中では捕吏や役人と談合し、その歓心を得るために卑屈に振舞ひ、数々の卑劣なことをするのであつた。この安らかな蒲団....
書記官」より 著者:川上眉山
繁く松はいよいよ風情よく、※耀たる湖の影はたちまち目を迎えぬ。 どこまでもその歓心を買わんとて、辰弥は好んであどけなき方に身を置きぬ。たわいもなき浮世|咄より....
今昔茶話」より 著者:国枝史郎
淀君を妾とし、秀頼を儲けて以来、いささか凡人に還ったように凡人化し、マリア皇后の歓心を買うためには、どんなことでもやろうという心持ちになっていた。 それへ付け....
道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
内職の長官に任ぜられ、天皇この宮に行幸の際の如き、彼は道鏡の前に倭舞を奏してその歓心を求める程の老練なる白パクレ振りを発揮していたのであった。道鏡は実に彼にゴマ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
。その位で何かにつけてごく親密にやって居るです。ネパール政府もまたチベット国民の歓心を収むるように方法を運らして居るらしく見える。ネパール国王はインド教の人であ....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
ろんな嘘を吐いてはお父さんからお金をせびり取り、そのお金を湯水のように使って妹の歓心を買っていましたが、遂々それがお父さんに知れ、学資を断れてしまいました。吉川....
恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
。 あなたは映画女優時代から人知れず恋していた嫂さんに同情者のような顔をして、歓心を買い、あわよくば横取りしようと考えている時、運悪るくシベリアからお兄さんが....
日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
において、この季節ものをもって、得たり顔に使うとしようか、決して思うように顧客の歓心を買い得るような効果は上がらないのである。季節、季節と、口やかましく言いはや....