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歓楽
「歓楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歓楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
を心得ているアリ・ババとさらに違いはない。その呪文が唱えられた時、いかなる未知の
歓楽境がお君さんの前に出現するか。――さっきから月を眺めて月を眺めないお君さんが....
「或る女」より 著者:有島武郎
かに洋服に適した葉子は、そこの交際社会でも風俗では米国人を笑わせない事ができる。
歓楽でも哀傷でもしっくりと実生活の中に織り込まれているような生活がそこにはあるに....
「或る女」より 著者:有島武郎
んな夢のような楽しさがたわいもなく一週間ほどはなんの故障もひき起こさずに続いた。
歓楽に耽溺《たんでき》しやすい、従っていつでも現在をいちばん楽しく過ごすのを生ま....
「生きている腸」より 著者:海野十三
を伝わって洪水のように流れだした。彼は本能のおもむくままに、夜を徹し日を継いで、
歓楽の巷を泳ぎまわった。そして七日目になって、すこしわれにかえったのである。 ....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
ンシスはやがて自分の纏ったマントや手に持つ笏に気がつくと、甫めて今まで耽っていた
歓楽の想出の糸口が見つかったように苦笑いをした。 「よく飲んで騒いだもんだ。そう....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
た。 そんな好い気持になってきたのも、あまり長い間のことではなかった。 この
歓楽の巷に、突如として響いて来たサイレンの音、――人々は回転の停った活動写真のよ....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
込んでしまったのだから――。二人の甘い秘密は、幸い今日まで親分にも知れず、数々の
歓楽を忍ばせて来たが、ここにもやっぱり悪魔は笑っていたのだ。若しお由の死から国太....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
その名のとおり、夜の幕の唯中に、燦然と輝く百光を浴びて城のように浮きあがっている
歓楽の大殿堂は、どこに忌むべき吸血鬼の巣があるかと思うほどだった。その素晴らしく....
「海底都市」より 著者:海野十三
。ぜひそこへ案内してくれたまえ」 僕とタクマ少年は、動く道路を利用し、第十八|
歓楽街《かんらくがい》のクラゲ座へ行った。 入場してみて、僕はやっぱりおどろか....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
薔薇の花びらを振りかけた。しかもこの享楽主義者がラザルスの眼をながめたとき、彼の
歓楽は永劫に終りをつげてしまった。彼は一滴の酒も口にしないのに、その余生をまった....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
談笑した記事が殆んど見えない。家族と一緒に遊びに出掛けたはおろか、在宿して団欒の
歓楽に興じた記事もまた見えない。馬琴は二六時中、操觚に没頭するか読書に耽るかして....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
こでは夜の十二時頃から翌日の午前五時頃まで皆が踊り抜いているのだという。こういう
歓楽場があり、有閑婦人や、おしゃれ息子や金持ちがゆくところとみえる。一方にはこん....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
味があった。今の道徳からいったら人情本の常套の団円たる妻妾の三曲合奏というような
歓楽は顰蹙すべき沙汰の限りだが、江戸時代には富豪の家庭の美くしい理想であったのだ....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
ットや、思い思いの異装に趣向を凝らして開闢以来の大有頂天を極めた。 この一夜の
歓楽が満都を羨殺し笑殺し苦殺した数日の後、この夜、某の大臣が名状すべからざる侮辱....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
月に松、竹、燈を用うるに同じ。当夕、眷属一同一席に集まり美食を設け、食後、自在に
歓楽を尽くして深更に至る等、みなわが正月の風俗に異なることなし。当日は親戚、朋友....