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歓談
「歓談〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歓談の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「悟浄歎異」より 著者:中島敦
げ》の午睡。渓流の水浴。月夜の吹笛《すいてき》。春暁の朝寐《あさね》。冬夜の炉辺
歓談。……なんと愉《たの》しげに、また、なんと数多くの項目を彼は数え立てたことだ....
「食魔」より 著者:岡本かの子
を張り出したように鼈四郎にはとれた。 一時白けた雰囲気の空虚も、すぐまわりから
歓談で埋められ、苦り切り腕組をして、不満を示している彼の存在なぞは誰も気付かぬよ....
「安重根」より 著者:谷譲次
し、山高帽。婦人達もすべて明治の礼装だ。群集は縦横に揺れ動いて、口だけ動く無言の
歓談が続く、特務将校ストラゾフと領事館付岡本警部が、駅員を指揮して整理に右往左往....
「旅愁」より 著者:横光利一
世話役の塩野は久慈と大石の無事帰朝を慶ぶ歓迎の挨拶をのべた。祝杯があがると寛いだ
歓談が始まった。
渋色に塗った低めの長い食卓には、鉢から移された前菜の、生海胆....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
たらどんなによかろうかと思います。元気ながら持ち前のおもいやりでいたわられながら
歓談したらきっと人足仕事などを心がけないでも、もっともっと詩趣豊かにほっこりする....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
たのを吉屋信子の家へよんで、婦人作家たちが「小さいお友達」のように(新聞の表現)
歓談したそうで、写真が出て居りました。女の作家も外交官の下っぱの細君が考えたりや....
「聖女人像」より 著者:豊島与志雄
如何に忙しい仕事の最中でも、決して嫌な顔をせず、書斎に招じた。そして一方では私と
歓談しながら、一方では原稿を書いた。新聞雑誌の編輯者や其他の訪客が来ても、適当な....
「無毛談」より 著者:坂口安吾
て女中というものは、家人の前で恋をさゝやく筈はない。チャラ/\と裏口で御用聞きと
歓談する女中の方が腹蔵ないかも知れない。無口、陰険、因果物の演技に巧なトン子さん....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
べた。それはきわめて簡単だった。わざわざ訪ねて来てもらったお礼と、うちくつろいで
歓談してもらいたいという希望とをのべたにすぎなかった。それに要した時間も、おそら....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
。そんなハンブルなことで人間は幸福になれるのだ。姉の俥の前後につきそって私たちは
歓談しながら歩く。一番小さい妹は姉の俥に一緒に乗せて貰う。 こんな田舎に泊りに....
「魔都」より 著者:久生十蘭
京されたが、いたく御喜悦の模様で、自ら会見室迄お出迎えになり、夕方までさまざま御
歓談あらせられた。
それは「夕陽新聞」という四ページの夕刊新聞で、一月元日....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
が、弥が上にも船客一同をお祭気分に煽り立てて知るも識らぬも忽ち一大家族のように、
歓談、遊戯、舞踏、様ざまの催し物――美食と美装の限りをつくした「推進《プロペラ》....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
天蓋《まるてんじょう》を透して降りそそぐ煦々《くく》たる二月の春光を浴びながら、
歓談笑発して午餐に耽る凡百の面々を眺め渡せば、これはさながら魑魅魍魎《ちみもうり....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ので、久しぶりで訪問して旧情を煖めかたがた志望を打明けて相談したところが、一夕の
歓談が忽ち肝胆相照らして終に川島の配下に学堂の提調に就任する事となった。 川島....
「『唯研ニュース』」より 著者:戸坂潤
にやろうとしていると、富山県庁から吾々両人に敬意を表すべく警部さんが訪ねて来た。
歓談数分に亘った後、後会を約して別れたが、そのおかげで講演準備は台なしとなり、中....