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歔
「歔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
ていれば、大恩人の甚内を憎むようになるかも知れません。………（永い間《あいだ》の
歔欷《すすりなき》）
「ぽうろ」弥三郎の話
ああ、おん母「まりや....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
体どうすれば好《よ》いのでしょう？ 一体わたしは、――わたしは、――（突然烈しき
歔欷《すすりなき》）
巫女《みこ》の口を借りたる死霊の物語
――盗人《ぬす....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
つめい》であろう」 提督は深い溜め息とともにそう呟《つぶや》いた。 不意に、
歔欷《きょき》の声が一座をおどろかした。それは、若い副艦長のゲビスであった。 ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
事、従っては斯る場合の感動も人一倍強いと見え、顔に当てた手巾《はんけち》の中から
歔欷《すすりなき》の声を洩らした。
実に秀子の今までの境遇を考えて見れば是が泣....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
と※っていた。その間、法水は告白書に眼を通していたが、程なくイリヤは我に返って、
歔欷を始めた。 「信ぜられませんわ。姉さんはなぜ大恩のある父を殺さなければならな....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ん、弱いとも。俺は弱者だ！」またガックリ項垂れた。肩を細く刻むのである。 と欷
歔の声がした。陶器師が泣いているのだ。……月子は静かに手を延ばしたが鑿と槌とを取....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
ているらしい。 やがて彼女は立ち上がった。が復直ぐに地面に坐り、また其処で暫く
歔欷したが、遂に懐中から懐剣を取り出し、あわや喉へ突き立てようとした。 始終を....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
は夫の問いに答えようとしては意志の力では押える事の出来ない、泉のように湧いて来る
歔欷の声に遮られて、容易に声が出ないのだった。 厳めしい警官達も顔を背向けずに....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
、身悶えしているのは桔梗様である。袖で顔を蔽うている。肩で烈しく呼吸をしている。
歔欷《すすりない》ている証拠である。 その前に墨の柱のように、黒の道服を身に纒....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
自身をそれほど安価にみくびってはいない私は、私は――」 登志子は押し上げて来る
歔欷をのんでじっと突いた洋傘の先のあたりに目を落した。熱い涙がポツリポツリと眼鏡....
「男女関係について」より 著者:大杉栄
目と醜悪とに陥ってしまう。 彼女は号哭する。そして僕もまた、彼女の側に倒れて、
歔欷する。 野枝さん。 かくして僕は、彼女がしきりに確かめたがっている、彼女....
「小公女」より 著者:菊池寛
金ももらえずに、逐い出されてしまうのだろう。 ベッキイは息もつまるばかりに、欷
歔をはじめました。 「お嬢様、お嬢様！ か、かんにんして下さいまし、どうか、かん....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
れたからである。 それを見ると、フローラは紅琴の裾に泣き伏して、よよとばかりに
歔欷り上げた。 「あ、あまりな御短慮ですわ。見す見すあの黄金郷を捨てて、奥方様は....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
くもってしまった。だが私は彼がその手紙の中で語っている一部始終を読み返した。私は
歔欷いている自分の哀れな心の中に痛い傷痕をかんじて、我知らず手足を折られでもした....
「チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
やな思をお為せ申すことはない。欲しいものは差上げるがいいんだ。 チチアネルロ （
歔欷す。）今日か明日かだ。それでおしまいだ。 ジヤニイノ もういつまでもあなた方....