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止る
「止る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
止るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「尾生の信」より 著者:芥川竜之介
音、――それからどこかでけたたましく、蒼鷺《あおさぎ》の啼く声がした。と思って立
止ると、いつか潮がさし出したと見えて、黄泥《こうでい》を洗う水の色が、さっきより....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
それを聞いた時に、俄《にわか》に目の前が暗くなって、そのまましばらくは呼吸さえも
止るような心地が致しました。また実際その間は、失心したも同様な姿だったのでござい....
「路上」より 著者:芥川竜之介
三
「やあ、失敬。」
大井《おおい》は下駄箱《げたばこ》の前に立
止ると、相不変《あいかわらず》図太い声を出した。が、その間《あいだ》も俊助《しゅ....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
「悪魔にしてたとい、人間と異るものにあらずとするも、そはただ、皮相の見《けん》に
止るのみ。汝が心には、恐しき七つの罪、蝎《さそり》の如くに蟠《わだかま》らん、」....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
たけはいがあったと云います。
が、泰さんは一向無頓着に、その竹格子の窓の前へ立
止ると、新蔵の方を振返って、「じゃいよいよ鬼婆に見参と出かけるかな。だが驚いちゃ....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
声の合唱が鳴りひびくと、無頓着な無恥な高笑いがそれに続いた。あの青年たちはもう立
止る頃だとクララが思うと、その通りに彼らは突然阪の中途で足をとめた。互に何か探し....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
小さく縮まった。 「市長さん、遅れまして何とも申訳ござんせん」と、跫音がピタリと
止ると、入れ代って脳天より出るような声、「只今火を発しましたるは、これより南へ二....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
とき秘蔵していられたという問題の函なんですよ」 「なんですって?」 僕は心臓の
止るほど愕いた。このような偏土に来て、しかもこのような神秘な尼僧院の中で、そして....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
「君は椋島技師のことを指して言っているのじゃないだろうな」博士は、はじめて立ち
止ると、帽子や外套を脱ぎながら言葉をつぎ足した。 「……」松ヶ谷学士は、椋島技師....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
で、やって来たらしいんだ。浜松の飛行隊で、追駈け廻しているけれど、敵の奴を巧く喰
止ることが出来ないらしいんだ。それでも五つ六つ墜っことしたらしいってことだ」 「....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
りがきた。左手に山をひかえたところだから下りにくい。先頭が手際よく下りてぴたりと
止ると次が下る。坊城が滑り出したと思うと、右にそれて下に行って煙をあげた。何のあ....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
。砂糖のが文久一枚、白玉が二枚という価でした。まだ浅草橋には見附があって、人の立
止るを許さない。ちょっとでも
止ると「通れ」と怒鳴った頃で、その見附のズット手前に....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
い震えが全身を襲って、止めようとしても止りません。 「誰か呼んでいるぜ」兄は立ち
止ると、両掌を耳のうしろに帆のようにかって、首をグルグル聴音機のように廻していま....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
随筆に飛騨、信州などの山近な片田舎に、宿を借る旅人が、病もなく一晩の内に息の根が
止る事がしばしば有る、それは方言|飛縁魔と称え、蝙蝠に似た嘴の尖った異形なものが....
「山吹」より 著者:泉鏡花
て下せえまし。 夫人 ほんとうに打つの? 人形使 血の出るまで打って下せえ。息の
止るまでもお願えだよ。 夫人 ほんとうかい、ほんとうに打つのかね。 人形使 何と....