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正に
「正に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
正にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
立っているんだ。するとその女が、――どうしたと思う? 僕の顔をちらりと見るなり、
正に嫣然《えんぜん》と一笑《いっしょう》したんだ。おやと思ったが間《ま》に合わな....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
た。が、三浦は澱《よど》みなく言《ことば》を継《つ》いで、『これが僕にとっては、
正に第一の打撃だった。僕は彼等の関係を肯定してやる根拠の一半を失ったのだから、勢....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
のような先生の眼と自分の眼とが、鏡の中で刹那《せつな》の間《あいだ》出会ったのは
正にこの時である。が、先生の眼の中には、さっき自分が予想した通り、果して故人に遇....
「葱」より 著者:芥川竜之介
に潜んでいた実生活が、突如としてその惰眠から覚めた。間髪《かんはつ》を入れずとは
正にこの謂《いい》である。薔薇《ばら》と指環と夜鶯《ナイチンゲエル》と三越《みつ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
っている。しかし大体《だいたい》の目鼻だちは美しいと言っても差支えない。いや、端
正に過ぎる結果、むしろ険《けん》のあるくらいである。
女はさも珍らしそうに聖水....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ると云う事だった。もし離魂病《りこんびょう》と云うものがあるとしたならば、花房は
正に藤沢の離魂体《ドッペルゲンゲル》とも見るべき人間だった。が、どちらが正体《し....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
、完《まった》く身なりなどには無頓着なのであろう。
「オールマナック・メエカア。
正にそれにちがいない。いや僕の考える所では、それさえ甚だ疑問ですね。しかしそんな....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
両者の恋愛の等しくなるまで、ずっと移動をつづけるはずだろう。長谷川君の場合などは
正にそうだね。……」
「そおら、はじまった。」
長谷川はむしろ嬉しそうに、擽《....
「少年」より 著者:芥川竜之介
あおと煙《けむ》っている。が、渚《なぎさ》に近い海は少しも青い色を帯びていない。
正にぬかるみのたまり水と選ぶ所のない泥色《どろいろ》をしている。いや、ぬかるみの....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
悪い半ば』――即ち桜の花の匂《にお》いを肯定しなければなりません。つまり『匂いは
正にある。が、畢竟それだけだ』と断案を下してしまうのであります。若し又万一『より....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
ももちろん鎧武者ではない。ごく小さい桶屋だった。しかし主人は標札によれば、加藤清
正に違いなかった。のみならずまだ新しい紺暖簾の紋も蛇の目だった。僕らは時々この店....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
口に説明する事は困難だが、苦労人と云う語の持っている一切の俗気を洗ってしまえば、
正に菊池は立派な苦労人である。その証拠には自分の如く平生好んで悪辣な弁舌を弄する....
「格さんと食慾」より 著者:芥川竜之介
ることも事実である。 宇野浩二は本名格二(或は次)郎である。あの色の浅黒い顔は
正に格二郎に違いない。殊に三味線を弾いている宇野は浩さん離れのした格さんである。....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
った後、蘭竹を一幅貰ったこともある。実際あらゆる編輯者中、僕の最も懇意にしたのは
正に滝田君に違いなかった。しかし僕はどういう訳か、未だ嘗て滝田君とお茶屋へ行った....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
独裁の傾向であり、官僚政治の積弊であります。 しかるに、吉田内閣は、警察法の改
正により戦前の警察国家の再現を夢み、全国民治安維持のための警察をして一政党の権力....