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「正体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

正体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
掠《かす》めたと云う、前髪の垂れた若侍、――そう云うのを皆甚内とすれば、あの男の正体《しょうたい》を見分ける事さえ、到底《とうてい》人力には及ばない筈です。そこ....
河童」より 著者:芥川竜之介
天才だ。その点ではロックを恐れていない。」 「では何を恐れているのだ?」 「何か正体《しょうたい》の知れないものを、――言わばロックを支配している星を。」 「ど....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
たたず》んでいた。 「どなた様でございますか?」 お蓮はそう尋ねながら、相手の正体《しょうたい》を直覚していた。そうしてこの根《ね》の抜けた丸髷《まるまげ》に....
」より 著者:芥川竜之介
処女《しょじょ》の新鮮な直観性は、どうかするとこのランスロットのすこぶる怪しげな正体を感ずる事がないでもない。暗い不安の雲の影は、こう云う時にお君さんの幻の中を....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
聖徳《ごしょうとく》により、ぱんと酒の色形《いろかたち》は変らずといえども、その正体《しょうたい》はおん主《あるじ》の御血肉《おんけつにく》となり変る」尊いさが....
路上」より 著者:芥川竜之介
、花房は正に藤沢の離魂体《ドッペルゲンゲル》とも見るべき人間だった。が、どちらが正体《しょうたい》でどちらが影法師《かげぼうし》だか、その辺の際どい消息になると....
」より 著者:芥川竜之介
でも出しそうな騒ぎでございます。いや、首までは出しも致しますまいが、その中に竜の正体を、目《ま》のあたりにしかと見とどけたと申す男さえ出て参りました。これは毎朝....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
の中へ数えようとする――それだけで、この老人の所謂《いわゆる》事実も、略《ほぼ》正体が分っている。成程これは気違いでも何でもない。ただ、義経《よしつね》と鉄木真....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
したた》る酒に、いつかぐっしょり濡《ぬ》らされていた。十六人の女たちは、ほとんど正体《しょうたい》もないらしかった。彼等の口から洩れるものは、ただ意味のない笑い....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
」 それはたった一ことだった。しかしちょうど月光のようにこの男を、――この男の正体を見る見る明らかにする一ことだった。常子は息を呑《の》んだまま、しばらくは声....
或る女」より 著者:有島武郎
に不思議に陰険な目つきをちらつかせたりした。葉子はその人を観察すればするほどその正体がわからないように思った。それは葉子をもどかしくさせるほどだった。時々葉子は....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
はもうそんな拙な真似はいたしません。天狗がどんな立派な姿に化けていても、すぐその正体を看破して了います。大体に於て申しますと、天狗の正体は人間よりは少し大きく、....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
星がのこっている。どうかして、もう少し星のそばによってみたいものだ。とりわけ月の正体をみてみたいものだ。あれだけはどんなことがあっても、ただの星とちがって、手の....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
び岸にかけのぼると、たちまち道の中央に突ったった。夜は暗く陰鬱ではあったが、この正体不明のものの形はいまや少しはわかった。それはからだの大きい騎士のようで、逞ま....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
交々、闘志を抱いて渡る関門の海峡を、逆に白波を追っていた連絡船の中で、夢野久作の正体を発見したのである。 「オオ、ジッちゃんじゃないか、此頃あたしゃ、こげえなこ....