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正味
「正味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
正味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
「なアに、よく睡っているだけだ。先刻床下から注射した毒瓦斯はそれを嗅いだ人間を
正味二時間に亘って、生きた屍にする。あの注射器もこの毒瓦斯も、僕が作ったものだ」....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
に大変時間が経過したような気がされることであろうが、アパートを出てからここまで、
正味四五分の時間だった。 電鈴を押すと、すぐに人が出て来たのは意外だった。迎え....
「易と手相」より 著者:菊池寛
ている』はスッカリ駄目になったのである。『失くした物は出る、形はくずれているが、
正味は変らない』と云わなければ当らなかったのだ。どうも、支那の古代に発見された易....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
の旗上げから数えるとたった六七年である。南朝五十七年も其前後の準備や終結を除いた
正味は二十五年ぐらいなものであろう。世界を震撼した仏国革命も
正味は六七年間である....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
号は、ばくだいなる損失をかえり見ず、指定されたその現場へ急行したのです。それには
正味三十五日かかりましたよ。しかもそれからこっちずっとこのあたりを去らないで、あ....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
と無造作に答えて、「風間さんの背丈は、皮草履をはいたままで一メートル五七、すると
正味は一メートル五四というところで、理想型だ」 「えっ、いつそんなことをお測りに....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
をまいて置いたから、金のやつはもう二十分のちには両の瞼がくっついて、それからあと
正味六時間は、死んだようになってぐうぐう睡ることだろう」 「ああそうですか。それ....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
によろしいのである」 「なるほど。で、もう一つ伺いたいのはその、長期性時限爆弾の
正味ですが、その実体はどれくらいの大きさのものでしょうか。定めし、ずいぶん小さい....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
んめいに漕いでいる。 「本船の救難信号は、無電で出したろうね」 「はあ、最後まで
正味三分間はありましたろう。その間、頑張って打電しました」 「どこからか応答はな....
「空襲警報」より 著者:海野十三
るほど、こいつは考えたね」 「形は滑稽だが、これでも猛烈に濃いホスゲン瓦斯の中で
正味一時間ぐらい、風に散ってすこし薄くなった瓦斯なら三、四時間ぐらいはもつ。立派....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
々としたいい心持ちのものであつた。 いつさいの付属品と装飾を取り去られたのちの
正味掛け値なしの自分の姿を冷静に評価する機会を持ち得たことはともかくもありがたい....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
漏らしたのであった。 それは、その如何にも新らしい快よい光輝を放っている山本山
正味百二十匁入りのブリキの鑵に、レッテルの貼られた後ろの方に、大きな凹みが二箇所....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
得なくなった。随って会えば万更路人のように扱われもしなかったが、親しく口を利いた
正味の時間は前後合して二、三十分ぐらいなもんだったろう。 が、沼南の「復たドウ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ぬふりする事は出来なかった。尤も公債もあり蓄財もあり、家屋も自分の所有であって、
正味十一円こっきりの身代ではなかったが、割合に気楽な官吏の生活を送ったものが多年....
「俗臭」より 著者:織田作之助
声でどなった。最初の一日は寄って来た客が百十三人、中で二杯三杯のんだ客もあって、
正味一円二十銭の売上げで日が暮れ、一升ばかり品物が残って夏のこととて腐敗した。氷....