正室[語句情報] » 正室

「正室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

正室の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一本の花」より 著者:宮本百合子
か。朝子は二重に厭な心持がして、社長室のリノリウムを踏んだ。 建坪の工合で、校正室は、社長室を抜けてでないと行けなかった。朝子は、黙って軽く頭を下げ、通りすぎ....
連環記」より 著者:幸田露伴
えて、そして大に才名を馳せたのであった。倫子は左大臣源雅信の女で、もとより道長の正室であり、准三宮で、鷹司殿と世に称されたのである。此の倫子の羽翼の蔭に人となっ....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ている。王女は額田王の御姉に当る人で、はじめ天智天皇に寵せられ、のち藤原|鎌足の正室になった人だから、恐らく此時近江の京に住んでいたのであろう。そして、額田王の....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
ことに俳優を愛したのであった。けれども、結局にはそれが禍いとなって、あろうことか正室|薄雪の方が、上方役者里虹と道ならぬ褄を重ねたのである。薄雪の方は、嵯峨二位....
南国太平記」より 著者:直木三十五
、どきんとさせた。 七瀬は、裁許掛見習、仙波八郎太の妻であった。そして斉彬の正室、英姫の侍女でもあった。誠実で、聡明で、沈着であったから、寛之助の病が、悪化....
多神教」より 著者:泉鏡花
、ただ(きれぎれにいう)お恥しう存じます。 神職 おのれが恥を知る奴か。――本妻正室と言わばまた聞こえる。人のもてあそびの腐れ爛れ汚れものが、かけまくも畏き……....
四月馬鹿」より 著者:織田作之助
本印刷へ行った。四階でエレヴェーターを降りると、エレヴェーターのすぐ前が改造の校正室だった。 はいって行くと、きかぬ先に、 「武田さん来てますよ」 と、Aさ....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
われら町人の爺媼の風説であろうが、矯曇弥の呪詛の押絵は、城中の奥のうち、御台、正室ではなく、かえって当時の、側室、愛妾の手に成ったのだと言うのである。しかも、....
三国志」より 著者:吉川英治
にあたって、閨門の女性やその子達をめぐって、家庭的な一波紋が起っていた。 彼の正室である呉氏の腹には、四人の子があった。 長男の孫策、字は伯符。 第二子孫....
三国志」より 著者:吉川英治
舎城である。 けれど、河南の春は平和に、ここへ来てから、玄徳に歓び事があった。正室の甘夫人が、男児を産んだのである。 お産の暁方には、一羽の鶴が、県衙の屋根....
三国志」より 著者:吉川英治
の第二夫人の驪姫にもひとりの子が生れた。驪姫はその子に国を継がせたく思い、つねに正室の子の申生や重耳を悪くいっていた。けれど献公が見るに、正室の子はいずれも秀才....
三国志」より 著者:吉川英治
ではない。きわめて合理的に相談は運んで行けると思う」 「どうしてですか。玄徳には正室の甘夫人があるのに、まさか呉侯のお妹君を、彼の側室へなどと……第一そんな縁談....
私本太平記」より 著者:吉川英治
大望のおん大事には、あまたな贄が――人柱というものが――要るものだ。すでに殿のご正室やお子たちすらも、鎌倉表に幕府の質とされておる」 「お。鎌倉の質といえば」 ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
欲ともさして違うものではなかった。 「ぜひほしい。正妻はある身だが、すでに老妻。正室の待遇をあたえて大事にしよう」 率直に、申し入れた。 が、二条家では当然....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
上の人間の官能描写なども、どこまで可能のことかと正直おもう。 たとえば、義経の正室と、愛人の立場にある静との関係なども、むずかしい一例である。妻妾一つに住んで....