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正物
「正物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
正物の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
産が手に入って、すっかり財産家になってしまったんです。お正月のお座敷へ行くのに、
正物の小判や一朱金二朱金の裾模様を着たというんでしたわ。それでお座敷から帰ると、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
く聞きすましていたんだ。俺らの声もよく聞き分けがつくだろう、声だけ聞いても米友の
正物《しょうぶつ》だということがわかるだろう、第一ムクがここまで俺らを引張って来....
「殺された天一坊」より 著者:浜尾四郎
方様お墨附、並びにお短刀を示し、その時居られました方々にも皆々様之を拝見なされ、
正物にまぎれもなき物と定ったそうでございます。御奉行様も其の場に居られて、そのお....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
とく附会して、狂語を放つ例も変態心理学の書にしばしば見受ける。 金製の鶏でなく
正物の鶏を宝とした例もある。元魏の朝に漢訳された『付法蔵因縁伝』五に、馬鳴《めみ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
向は、なるべくわずかな時間になるべく多く仕上げるのを余儀なくされることに、その矯
正物《きょうせいぶつ》を見出した。何物も――教師の教えも傑作の模範も、それほど多....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
を引き出した。
「猫とはいかなるものか知ってるか。」と彼は叫んだ。「猫は一つの矯
正物《きょうせいぶつ》だ。神様は鼠《ねずみ》をこしらえてみて、やあこいつはしくじ....
「地震雑感」より 著者:寺田寅彦
あっても、これを応用すべき具体的の「場合」の前提とすべき与件の判定は往々にして純
正物理学の範囲を超越する。それ故に物理学者の考える地震というものは結局物理学の眼....
「魔都」より 著者:久生十蘭
やじ》に話して見ようかということになって、暮の二十七日に王様に一緒に行って貰い、
正物を養父に見せると、養父も乗気になって、千万円までなら出そうということになった....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
るは必定。そんな危い瀬を渡る為にわざわざ三人で来られる気遣いはなく、まぎれもない
正物とは、わしにさえ鑑定が出来るのじゃ」 「やれ、嬉しや、福の神じゃ」 お幸と....
「その人を知らず」より 著者:三好十郎
ット・システムだけが、ヨーロッパ的理念の最後のひとつかみのよりどころ、ないしは修
正物として、かろうじて存在しておりますが、しかし、それも、特殊な地方的条件として....