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「正金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

正金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
うになって、前後も忘れて懐中にありったけの買い物をしてしまったのだ。使いをやって正金《しょうきん》銀行で換えた金貨は今|鋳出《いだ》されたような光を放って懐中の....
政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
》の刻印が打って有る、是は予《かね》て巡達《じゅんたつ》に成って居《お》る処の不正金でございますから、 亭主「是は打棄《うっちゃっ》ちゃア置《おか》れない、直....
地中魔」より 著者:海野十三
上を、メラメラと赤い火焔が舌を出していた。 「金貨は?」課長は叫んだ。 「安全に正金銀行へ移しました」と波止場を警戒中の警部が駈けつけていった。 「そうか。では....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
れになった。一部は、蛋粉工場へ向けられた。一部は福隆火柴公司へ向けられた。一部は正金銀行へ向けられた。 銃をかつぎ、列伍を組んで、彼等はそれぞれ部隊長に指揮さ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
込んでいる外国政府の代理人、もしくは外国商人などの受け取ろうとするものは、日本の正金である。内地の人民、ことに商人は太政官の準備を危ぶんで新しい金札をよろこばな....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
論文」などが載っていても、之をそういうものとして相手にはしないで、「評論」という正金に換算して評論するという見識さえ持てば、困難は大したものではないのである。そ....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
や、間違いはございません。」 出納係は喜ばしそうに叫んだ。そして小切手はすぐに正金に換えられた。 明の詩画家許友は、ぶくぶくに肥った背低で、身体中に毛といっ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
たT博士と、だいぶお医者が多い。そのほか鉄工所のK工学博士、建築家のY博士、倫敦正金支店のK氏一家、N氏夫妻、砲兵大尉だの学生だの、外務書記生だの在外商店の人々....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
中も機会があれば、支那の有力者などとも交っていたのであるが、この凱旋して間もなく正金銀行に採用されて支那の支店へ行く事になった。そこで北京に居るのだから、支那人....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
は富者ではなかった。私は貧しい者である。私は参事院議官の一人であった。国庫の室は正金に満ちていて、金銀貨の重みにこわれかかってる壁には支柱を施さねばならなかった....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
へ貧乏神は歩いて行った。 「どこへ行く!」といいながら専斎はヌッと立ち上がった。正金で五十両 「やかましいやい! へぼ医者め!」 振り返って睨んだ眼の凄さに専....
赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
の通を黄浦灘と云うが、その通には随分沢山の日本の会社銀行その他がある。日本郵船、正金銀行、台湾、三菱、朝鮮、三井、住友等々の銀行や、日清、大阪、三菱等の汽船会社....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ろが三井物産の間島さんは私の慰労かたがたチベットの話を聞きたいということで、私は正金銀行支店長の松倉吉士という方の宅へ招かれて、在留日本人の紳士紳商の方々のため....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
マイル、長崎――ホンコン==一千七十マイル、合計一千八百五マイル。 午前上陸、正金銀行支店および郵船会社支店を訪問して帰船す。当夕九時、英船仏山号に移りてカン....
俗臭」より 著者:織田作之助
ものゝ、彼は酉年生れの派手な性質で金で面を張るのが面白いまゝに浪費が多く、纏った正金がなかったので、一万二万という大きな買ものにはどうしても兄の資本に頼る必要が....