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「此の間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

此の間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
う奴だと思ったので、返事をしなかった。すると赤井は何か思いついたらしく、 「実は此の間僕の妹も修学旅行に京都へ来たんだよ。ところが、妹の奴さくら井屋の封筒が買え....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
暗く、暗くなる許りだ、此の様な次第では此の末何の様な事になるかも知れぬ。 併し此の間に於いて、唯一つ余の合点の行ったのは死骸に首のない一条だ、首を附けて置いて....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ゃべったので、その噂はすぐに近所にひろまった。文字春の耳にもはいった。さなきだに此の間からおびえている彼女は、その噂を聞いていよいよ恐ろしくなった。彼女は往来で....
振動魔」より 著者:海野十三
た。ここに泪なくしては眺めることの出来ないものがある。それは、二十年の春を、つい此の間迎えたばかりの呉子さんが、早や墨染の未亡人という形式に葬られて、来る日来る....
単独行」より 著者:加藤文太郎
於ては蒲田温泉より白出沢を通じて当小屋に至る三尺幅の新道を開通し完全に危険を去り此の間四里且つ蒲田温泉へは半里の栃尾迄自動車の便あれば衆俗をはなれし山境蒲田に第....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
行の戦死 今や楠党は主力を東条に集結し、別軍は河内の暗峠を固めて、敵を待った。此の間、彼が作戦奏上の為め、吉野に参廷したあたりは、正に『太平記』中の圧巻であっ....
小田原陣」より 著者:菊池寛
くて二十七日には、家康や信雄に迎えられて沼津城に入って居る。 一方北条方では、此の間どうして居たか。 天正十八年正月二十日に、氏政、氏直父子は一門宿将を小田....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
二十五年という歳月は一世紀の四分の一である。決して短かいとは云われぬ。此の間に何十人何百人の事業家、致富家、名士、学者が起ったり仆れたりしたか解らぬ。....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
じゃ無えって云うんだから、まさか己れっち見てえな虫でもあるめえ、全くだ。 何、此の間スタニスラフの尼寺から二人尼っちょが来たんだ。野郎が有難い事を云ったってか....
褐色の求道」より 著者:岡本かの子
通り手を合せていると、何となく静かな気持ちになって感情がスポイルされます。それで此の間からこの女にも教えてやらせています。けれどもこの女は何とも無いと言うのです....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
居らりょうか知れん。それで十年前に北国へお立退きの際、お預けなされた三井寺の方へ此の間じゅうからさいさい掛合われなされたけれど、一向取戻しは埒明かんと言うことじ....
」より 著者:岡本かの子
て加奈子の京子に対する気苦労を労いながら、勝手の方へ立って行ったあとで、加奈子は此の間中から幾度も繰り返したように、京子の手紙の宛名に就いて考えて見た。秀雄、秀....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
漲り落ちている。川に沿うて熊笹の藪が生い茂っていた。左右は嶮しい岩山である。※は此の間道から山深く逃げ入ったのであろう。 「到頭逃して了った。」 塚田巡査は歯....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
して、自然に姻戚的交渉を開かない部族も各地に少くない。しかしそれが為に今日そう彼此の間の社会的地位に差別があるでもなければ、恐ろしいものとして憚られているものの....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
う程でないまでも、一般社会の生活の向上に伴わずして、世の進歩に後れているから、彼此の間隔が多くなって、貧乏にも見え、不潔にも見える。品性が下等なのが多いと言われ....