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「此中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

此中の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
聖書」より 著者:生田春月
い話が、基督はいくら十字架にかけられても」と聖書を手に取上げて、「その精神は今日此中に生きているじゃないか。いくら圧迫されても無視されてもいいから、本当の詩を書....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
に堪えなかった。眇たる丸善の店は焼けようと焼けまいと社会に何の影響も与えまいが、此中に充積する商品は皆日本の文明に寄与する糧であった。戦争に勝っても日本の文明は....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
あ思いもつかねえ濡衣《ぬれぎぬ》だ。なるほど友達のつきあいで、列び茶屋の不二屋へ此中《このじゅう》ちょいちょい遊びに行ったこともあるが、なにも乙に絡《から》んだ....
偽刑事」より 著者:川田功
之れは好都合であった。此店には暇過ぎる彼を終日飽かせない程の品物を並べてあった。此中へ彼女が這入ってさえ居れば、幾度でも彼女と邂逅する事も出来るのであった。彼は....
人間失格」より 著者:太宰治
忘れたんで みんな虚仮《こけ》の思案さ どうだ 此|涯《はて》もない大空を御覧よ此中にポッチリ浮んだ点じゃい 此地球が何んで自転するのか分るもんか 自転 公転 ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、煤と埃とあらゆる不潔に盈された家の内は、言語道断の汚なさであった。おかみはよく此中で蚕に桑をくれたり、大肌ぬぎになって蕎麦粉を挽いたり、破れ障子の内でギッチョ....
落第」より 著者:夏目漱石
英語を勉強しなければ予備門へは入れなかったのである。面白くもないし、二三年で僕は此中学を止めて了《しま》って、三島中洲先生の二松学舎へ転じたのであるが、其時分|....
越後獅子」より 著者:羽志主水
中毒で死ぬので、已《すで》に呼吸《いき》の無い屍体を、烟や火の中に抛り込んでも、此中毒は起しません。 尚《また》、其外に、俯向《うつむけ》になって居る上面、即....