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此先
「此先〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
此先の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「死者の書」より 著者:折口信夫
せぬ風で、 こんな話は、よそほかの氏上に言うべきことでないが、兄公殿がああして、
此先何年、難波にいても、太宰府に居ると言うが表面だから、氏の祭りは、枚岡・春日と....
「偽刑事」より 著者:川田功
へ向き直った。 「お前は此万引した女から半襟を受取って持って居るだろう。お前達は
此先の停留場で落ち合う約束だったろう。所が此女が余り遅いので様子を見に来たに相違....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
死体を扱いたら、ペロリと血だらけの模型卵を吐いた。此頃一向卵が出来ぬと思ったら、
此先生が毎日|召上ってお出でたのだ。青大将の死骸は芥溜に捨てた。少し経って見たら....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
問ふに、此あるじもおどろきし体にて、旅の人は不敵のことを宣《のたま》ふものかな、
此先はかばかり鬼多きを、いかにして無事に行過ぎ玉はんや、きのふも此里の八太郎食は....
「浚渫船」より 著者:葉山嘉樹
うとは思っていなかった。 ――一生涯! 一生涯、俺は呪ってやる、たといどんなに
此先の俺の生涯が惨めでも、又短かくても、俺は呪ってやる。やっつけてやる、俺だけの....
「魚紋」より 著者:吉川英治
けじゃねえ。おめえの方から、俺の枕元へやって来て、勝手に喋舌りちらしたんだから、
此先とも、何う事が成り行こうと、俺の罪じゃねえぜ。それだけは断っておくよ』 薊....