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武家
「武家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
武家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おしの」より 著者:芥川竜之介
内へはいって来た。紋《もん》を染めた古帷子《ふるかたびら》に何か黒い帯をしめた、
武家《ぶけ》の女房らしい女である。これはまだ三十代であろう。が、ちょいと見たとこ....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
て、幾分かで買うと、イカサマ師はそのまま一つ処にはいない、という風に、維新の際の
武家高家の零落流行に連れて、零落者と見せかけてのイカモノ師が多かったなどは、他の....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ど、父とは、大層若くて年が違いました。 ――町あたりの芸者だそうです。ですが、
武家の娘だったせいですか――まだ、私がお腹に。……」 ふと耳許をほんのりと薄く....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
りに――」 「察しられる。思いやられる。お前さんも聞いていようか。むかし、正しい
武家の女性たちは、拷問の笞、火水の責にも、断じて口を開かない時、ただ、衣を褫う、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
|浜の浪打際の貝拾いも私の何より好きな遊びの一つでございました。その時分の鎌倉は
武家の住居の建ち並んだ、物静かな、そして何やら無骨な市街で、商家と言っても、品物....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
入るのも面白かった。 その船を岸から離れぬ様に櫂で突張っている女船頭は、客人が
武家なので、編笠を冠っていては失礼と、この時すでに取っていたので、能くその顔は武....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
た、眉毛の濃く、眼の鋭い、五分月代毛を生した、一癖も二癖もありそうなのが、 「お
武家様、失礼ながら、大分御酒はいけますようで」と声を掛けた。 「いや余計もやらぬ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
を吹かし、人倫とはいい難しとまで京山が罵るのは決して穏やかでない。小身であっても
武家奉公をし、医を志した馬琴である。下駄屋の入夫を嫌って千蔭に入門して習字の師匠....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
錦と、薄暗く輝く裡に、他国ではちょっと知りますまい。以前、あのあたりの寺子屋で、
武家も、町家も、妙齢の娘たちが、綺麗な縮緬の細工ものを、神前仏前へ奉献する習慣が....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
えてやあがる、へ、お忝。」といって、愛吉はフンと棄鉢の鼻息。 「あいや、敵討のお
武家、ちとお話が反れましたようですが、加茂川が何か君に恥辱でも与えたというのかい....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
に、大きな|○をかけた一条がある。 ○浅草新堀にて幽霊に行逢う事 曰く、ここに
武家、山本|氏某若かりし頃、兄の家に養わる、すなわち用なき部屋|住の次男。五月雨....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
って、自分で出ました。……ちょっと話があるんです……この奥さんは、もと藩の立派な
武家のお嬢さんで、……近常さんの、若くて美男だった頃、そちらから縁談のあった事が....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
んは尾州藩だったが、長い間の江戸|詰で江戸の御家人化していた。お母さんも同じ藩の
武家生れだったが、やはり江戸で育って江戸風に仕込まれた。両親共に三味線が好きで、....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
百屋お七か」と訊いたという奇抜な逸事を残したほどの無風流漢であった。随って商売上
武家と交渉するには多才多芸な椿岳の斡旋を必要としたので、八面|玲瓏の椿岳の才機は....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
る処を正直にいわせれば世界における文学芸術の位置なぞは問題ではないのだが、儒教や
武家の教養から文芸を雕虫末技視して軽侮する思想が頭の隅のドコかに粘り着いていて一....