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「武庫川〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

武庫川の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
死までを語る」より 著者:直木三十五
戸の家へ返さしてしまったのである。 私は、病院を出ると、徳子さんから聞いていた武庫川の堤近く――芦屋の、徳子さんの家へ尋ねて行った。今の芦屋とはちがうから、何....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
なんだ、これがあの有名な大井川か。淀川の半分も無いじゃないか。国元の猪名川よりも武庫川よりも小さいじゃないか。のう、蛸。これしきの川が渡れぬなんて、式部も耄碌し....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
〔巻三・三五八〕 山部赤人 山部赤人の歌六首中の一首である。「武庫の浦」は、武庫川の河口から西で、今の神戸あたり迄一帯をいった。「粟島」は巻九(一七一一)に....
宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
の温泉の位置はやはり現在の旧温泉のある附近ではあったが、ずっと川の中へ突き出した武庫川の岸にささやかな湯小屋が設けられていて、その傍らに柳の木が一本植わっていた....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ば こやの軒ばの月も見つ 又いかならむ 行く末の空 昆陽を出でさせ給ひて、武庫川、神崎、難波など過ぎさせ給ふとて、御心のうちに思す筋あるべし。広田の宮のあ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
うごきがみえだしていた。 正成の菊水|旗が後陣へ消え、代って、脇屋義助の軍が、武庫川のかみから急下してきた朝からの緊迫した鳴動だった。 「賊軍の息のねをとめろ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
。このみじめな敗北感は馬も知るのか、ぬかるみを行く無数の長い脛にも力がなかった。武庫川の辺まで来ると、春の小糠雨は急に山からと海からとの風に掻きまわされて、痛い....
治郎吉格子」より 著者:吉川英治
「もうこの辺で結構だ。お仙さん、また来年会おうぜ」 治郎吉がいうと、 「いえ、武庫川まで」 と、お仙は、いつまでも振分を渡したくないように抱えこんで、蛍草の....
俗臭」より 著者:織田作之助
通りこして、千恵造の心に痛くこたえた。彼は便所に立ち、平気や/\と呟いた。窓から武庫川の河原が見えた。五月の午後の太陽が輝いていた。この時の千恵造の心理状態は描....