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歩み
「歩み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歩みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
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セセッション風に出来上った病院。少年はこちらから
歩み寄り、石の階段を登って行《ゆ》く、しかし戸の中へはいったと思うと、すぐにまた....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
精々、己を不快にさせるくらいだ。いくら鳶が鳴いたからといって、天日《てんじつ》の
歩みが止まるものではない。己の八犬伝は必ず完成するだろう。そうしてその時は、日本....
「影」より 著者:芥川竜之介
陳は麦酒《ビール》を飲み干すと、徐《おもむろ》に大きな体を起して、帳場机の前へ
歩み寄った。
「陳さん。いつ私に指環を買って下すって?」
女はこう云う間にも、....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
隣のそれに並べてある大蘇芳年《たいそよしとし》の浮世絵の方へ、ゆっくりした歩調で
歩みよると、
「じゃこの芳年《よしとし》をごらんなさい。洋服を着た菊五郎と銀杏返....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
だった事を発見すると、恥しそうに苦笑しながら、静かにまたもと来た小径へ、力のない
歩みを返して行った。
× × ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
)
クラバックは盛んな拍手のうちにちょっと我々へ一礼した後、静かにピアノの前へ
歩み寄りました。それからやはり無造作に自作のリイドを弾《ひ》きはじめました。クラ....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
僕等はもう船の灯《ひ》の多い黄浦江《こうほこう》の岸を歩いていた。彼はちょっと
歩みをとめ、顋《あご》で「見ろ」と云う合図《あいず》をした。靄《もや》の中に仄《....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
んだんこの沈黙が、恐しいような気がし出した。その内に誰かが彼女の後《うしろ》へ、
歩み寄ったらしいけはいがする。彼女は思わず振り向いた。すると後には別れた男が、悲....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
違いなかった。
彼女はちょっと目礼したぎり、躍《おど》るように譚《たん》の側へ
歩み寄った。しかも彼の隣に坐《すわ》ると、片手を彼の膝《ひざ》の上に置き、宛囀《....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
ちらへ歩いて来るお嬢さんの姿を発見した。彼は宿命を迎えるように、まっ直《すぐ》に
歩みをつづけて行った。二人は見る見る接近した。十歩、五歩、三歩、――お嬢さんは今....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
らしそうに聖水盤《せいすいばん》や祈祷机を見ながら、怯《お》ず怯《お》ず堂の奥へ
歩み寄った。すると薄暗い聖壇の前に神父が一人|跪《ひざまず》いている。女はやや驚....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
、老紳士はつと立上って、車の動揺に抵抗しながら、大股《おおまた》に本間さんの前へ
歩みよった。そうしてそのテエブルの向うへ、無造作《むぞうさ》に腰を下すと、壮年の....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
……
十分《じっぷん》の後《のち》、保吉は停車場のプラットフォオムに落着かない
歩みをつづけていた。彼の頭は今しがた見た、気味の悪い光景に一ぱいだった。殊に血か....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
って暮らすことにしよう。」
五分、十分、二十分、――時はこう言う二人の上に遅い
歩みを運んで行った。常子は「順天時報《じゅんてんじほう》」の記者にこの時の彼女の....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
重々しい声が聞えた。また、ときには恐ろしい鞭の音がしたが、おそらく先生が、だれか
歩みのおそいものをうながして花咲く学問の道を進ませようとしているのだった。じつの....