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歩合
「歩合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歩合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
その上、政府の緊縮政策のために、更にドン底に落ち込ませられた。――「親方制度」「
歩合制度」の手工業的な搾取方法を昆布巻きのように背負込んでいる労働者たちは、仮り....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
わされた文化年度以来の契約である。馬の四分とか、人足の五分とかは、石高に応じての
歩合をさして言うことであって、村々の人馬はその
歩合によって割り当てを命じられて来....
「赤い貨車」より 著者:宮本百合子
一緒にこまこました思いを飲み下した。例えば、八十五ルーブリ――しかもそれがやっと
歩合でとれる金で、どうして夏だからと云って下宿へ来て、二週間に八十四ルーブリ払え....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
、吾《わ》が領分では有るし、勝手は知ったり、大軍では有り、無論政宗に取って有利の
歩合は多いが、吾が領内で云わば関白の代官同様な氏郷に力沙汰に及んだ日には、免《ま....
「主婦意識の転換」より 著者:宮本百合子
ところ大きい規範で経営されてはいるけれど、各戸を実際にまわっている実務員が報酬を
歩合い制でもらっているものだから、月の売上げの多額なところへ便宜を計るという致命....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
け・むっしゅう! まるけ・むっしゅう! ら・ぼうる・ぱっす! 賭け方と増戻しの
歩合いとはじつに複雑をきわめている。みんな鉛筆と記録用の紙片を持って陣取り、一々....
「売春婦リゼット」より 著者:岡本かの子
れも連れていくよ。あいつの急所は肝臓さ。」 マギイ婆さんは保証した。序に報酬の
歩合をきめた。婆さんは一応帰って行った。 リゼットは鏡に向った。そこで涙が出た....
「波多野邸」より 著者:豊島与志雄
ぎらぎら光っていた。 「表の店の家賃は現金で払って貰う約束だ。ここの利益も、僕に
歩合ではいってくる。生活の不安もなさそうだ。」 彼はいきなりそんなことを私に打....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
いから、ひきあわないとは妙な話で、少いほど場内整理はカンタンの筈であり、入場料の
歩合いをもらうワケではなく、整理料はちゃんと二十万、二十五万と定まって貰う筈なの....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
話をかえて、 「あなた方の御給金は?」 「給金なんてものはありませんや。四分六の
歩合ですよ。私らが四分で。もっとも、稲吉は見習だから、稼ぎはそッくり師匠の手にと....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
菓子を始めた当時、某有力菓子店の主人から、職人の給料は薄給なこと、そして問屋から
歩合やコンミッションを取る悪弊があること、店の商品や原料を持ち帰ることは公然の秘....
「復活祭」より 著者:久生十蘭
だけでも五つも持ち、第三街へ持ちこまれる脱税ウイスキーは一箱についていくらという
歩合をとり、ほんの上っ面の財産だけでも五百万ドルをくだるまいということだった。川....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
で氷山に衝突する危険率は、そんなことを考えるだけでも滑稽だというので、保険会社の
歩合は百万に対する一の仮定だった。で、早春大西洋を横断する船舶は、屡々氷山見ゆの....
「その人を知らず」より 著者:三好十郎
っているんで、その代りに余分の部品や、キハツのすこしぐらい、部長の責任で、仕切の
歩合いとして持ち出していいことになってるんだよ。どうせ一時の事だろうが、そいつを....
「変身」より 著者:カフカフランツ
た。セールスマンにはむろん金もうけのチャンスがいろいろあり、仕事の成果はすぐさま
歩合の形で現金に変わり、それを家にもち帰って、驚きよろこぶ家族の眼の前のテーブル....