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歩寄
「歩寄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歩寄の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
赦はしませぬ」 「何ですと?」千々岩の額はまっ暗くなり来たり、唇をかんで、一歩二
歩寄らんとす。 だしぬけにいななく声|足下に起こりて、馬上の半身坂より上に見え....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
彼を横目にうかがっていた。そして彼からながめられてることを見て取ると、彼の方へ数
歩寄ってきた。しかし彼の正面につっ立ったまま、一言も言わないで、廿日鼠《はつかね....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
なに子供のことを気にかけてるの。何か訳があるんでしょう。」 彼女は小走りに二三
歩寄ってきて、周平の肩に軽く手を置いた。その接触を周平は俄に息苦しく感じた。袂か....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
、或年の夏の夕暮雨のような水音を聞付け、毒虫をも恐れず草を踏み分けながらその方へ
歩寄《あゆみよ》った時、柳の蔭には山の手の高台には思いも掛けない蘆《あし》の茂り....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
さん、此処だよ」 ト云うお政の声を聞付けて、昇は急足《あしばや》に傍《そば》へ
歩寄《あゆみよ》り、 「ヤ大《おおき》にお待遠う」 「今の方は」 「アレガ課長で....
「冒した者」より 著者:三好十郎
は出ない。 須永は、しかし、桃子から話しかけられたように、足音をさせないで、二三
歩寄って行き、じゅうたんの上にのる) 5 地下室 (真暗な中に、天....
「肌の匂い」より 著者:三好十郎
に圓陣を作つて黒い影が五つ六つ立ちはだかり無言でこちらを見ている。 久保が二三
歩寄つて行き 「貴島、どうした、きさま?……」と言つた。 貴島が土氣色の顏を上....
「童話」より 著者:室生犀星
べつに不思議そうにはしなかった。 「もうおかえり?――」 「ええ。」 姉は二三
歩寄りそうて、親しそうに手をとって言った。 「こんど何時くるの。」 「いつでも、....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
から後も、どんなに音色をお慕い申していたかしれませぬ」 「お……」弦之丞は五、六
歩寄って、「ではあの時、酒に酔った阿波侍が、無礼にも二階から拙者へ金を浴びせ投げ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
がら、決して一瞬の仮借もするのではなかった。十歩|退けば十歩迫り、五歩|躱せば五
歩寄ってくる。 武蔵は相手から跳び開く間髪ごとに、二度ほど、刀の柄へ手をやりか....