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「歩廊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歩廊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
やに連れられている二人の子供の顔を見ているうちに、汽車は動き出した。岸本は黙って歩廊に立つ人々の前に頭をさげた。 「大変な見送りだね。こんなに人の来てくれるよう....
如是我聞」より 著者:太宰治
る文章の一行を読んで実に不可解であった。 すなわち、「東京駅の屋根のなくなった歩廊に立っていると、風はなかったが、冷え冷えとし、着て来た一重|外套で丁度よかっ....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
判とみえて、真昼から観客はいっぱい詰めかけていた。いま丁度、休憩時間であるが、散歩廊下にも喫煙室にも食堂にも、「赤い苺の実」の旋律を口笛や足調子で恍惚として追っ....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
な気がした。 瑠美子をつれて葉子の乗っている汽車が着いた時、庸三は長男と一緒に歩廊に立っていた。 何といっても葉子にとって、彼の大きい子供は鬼門であったが、....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
れているのに、気のせいか、かなりに近く見えるのでした。殊にその建物は、塔といい、歩廊といい、窓の枠飾りといい、つばめの尾の形をした風見にいたるまで、すべていちじ....
小説中の女」より 著者:豊島与志雄
に、初めて私は我に返って、ぼんやり眼を見開いてみた。明々として車室の中や窓越しの歩廊《プラットホーム》の光景など、眼に映ずる世界が凡て、清冽な水にでも浸されたか....
丘の上」より 著者:豊島与志雄
んです。昨日、停車場のことを覚えていますか。」 「停車場で……。」 「あなたは、歩廊《プラットホーム》の柱の影に、ぼんやり立っていました。はいってくる列車の方に....
二等車に乗る男」より 著者:豊島与志雄
て、不愉快なんだ。」 高木は返辞もしないで、一人でにこにこしながら、改札口から歩廊《プラットホーム》の方へ歩いていった。その歩廊《プラットホーム》に立った時、....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
もう少しも耳にはいらなかった。 彼は家の者といっしょに出て行った。そして劇場の歩廊や、また街路でまで、人々に取囲まれて、お祝いを言われたり、抱擁されて困ったり....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
い?」とクリストフは尋ねた。 レオンハルトは答える前に、サン・マルタン修道院の歩廊の静かな腰掛に、腰をおろそうと言い出した。そこからは、アカシアの植わった小さ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
れはすでにもう過去であった。あたかも、汽車の出発前の待つ間が長引くとき、停車場の歩廊《プラット・ホーム》の上でかわす、あの悲しい別れの言葉に等しかった。あくまで....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
をもっていたが、他の乗客らの物議をかもしたその不運を、かえって非常に喜んだ。彼は歩廊《プラット・ホーム》に飛び降り、停車の時間を利用して、海の景色にひかされて出....
臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
こで我が腹心は停車場を去った――というのは実は見せかけで、あらためて他の入口から歩廊に忍び入り、歩廊から一番遠くの方に位置していた車掌乗用車の中に姿を匿した、そ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
のものだ。そう思って、心の中で冷笑していた。 駅の見送りには、生徒たちは一人も歩廊に入らず、駅から東寄りの線路の柵外に整列して見送る慣例になっていた。八百の生....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
目を奪われた。午後二時四十分。 私達の下りた処は、河に沿うて長く延びた大岩磐が歩廊のようになっている上であった。水面からは二、三丈の絶壁であるが、上流の方は低....