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「歩歩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歩歩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
の側へ進み寄って、すぐにその巌石を小山のような肩へ抱《だ》き取った。そうして二三歩歩いてから、一度眼の上までさし上げて置いて、力の限り向うへ抛《ほう》り投げた。....
或る女」より 著者:有島武郎
が白いぞ」 といいながら欄干を離れた。二人《ふたり》がその男に後ろを見せて五六歩歩み出すと、 「ちょっとお待ちください」 という声が橋の下から聞こえた。倉地....
女の決闘」より 著者:太宰治
の交えた会話はこれだけであった。 女学生ははっきりした声で数を読みながら、十二歩歩いた。そして女房のするように、一番はずれの白樺の幹に並んで、相手と向き合って....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
、白い飯が、なんぼでも食べられるぞ。 (甚兵衛、その言葉に少しく元気づき、三、四歩歩く) 首領の他の一人 その者は、不具者じゃないか。 おきん なんの不具者でも....
自叙伝」より 著者:大杉栄
でへとへとになってしまって、幾度その原の中で倒れかかったか知れなかった。そして五歩歩いては休み十歩歩いては休みして、ようやくその原の真ん中の一軒家に着いた時には....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
より、この館ではリシュリュウと申してよろしいのですから」そうして、扉の方へ二、三歩歩んだ所で立ち止り、屹然と法水を振り向いて云った。 「法水さん、与えられたもの....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
の足で歩くことによって、日輪を直視することによって、十歩行っては八歩かえり、二十歩歩いては十九歩かえる、こういう困難な歩き方によって、その他さまざまの苦行によっ....
ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
ことは、私を驚かせるよりもむしろ喜ばせた。すぐさま私は前へよろめいてゆき、五、六歩歩くとその建物の玄関へ出た(8)。その低い小さな室にはランプは一つもかかってい....
惨事のあと」より 著者:素木しづ
うつらなかった。楯井さんは二三歩ずつ進んだ。そしてあたりを見まわしながらまた二三歩歩いた。楯井さんは自分の手に棒切を握っているのに気付くと、自分で恥かしそうにそ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
だすから、あとは思うようにやりたまえ」 「うむ、よくいわれた」 提督は、二、三歩歩いて、卓子の方へ近づいた。 「提督。自由に動いてはいけません」 「いや、電話....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
られちゃ馬鹿々々しいやね」とお源を見る、お清はお徳を睨む、お源は水を汲んで二歩三歩歩るき出したところであった。 「全く物騒ですよ、私の店では昨夜当到一俵盗すまれ....
女流俳句を味読す」より 著者:杉田久女
びけり 妙子 明るい真昼の草の上。そこら一面ゆらゆらともえている陽炎が一歩一歩歩みを運ぶ度に足にもすそにからみつく。もしそれ此脚に重心をおいて、描いて見るな....
狂馬」より 著者:佐左木俊郎
かれて行った。それは、牽かれているというより、曳き摺られている形だった。青は、二歩歩いては立ち停まり、三歩歩いては立ち停まるのだった。 「青! 後から押してやろ....
女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
の交えた会話はこれだけであった。 女学生ははっきりした声で数を読みながら、十二歩歩いた。そして女房のするように、一番はずれの白樺の幹に並んで、相手と向き合って....
俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
たらあるいはそういうものができているかもしれません。人間の力は新しいものに一歩一歩歩を進めてゆく力はあるが、従来のすべての因縁を切り離して、絶対に新しいものをこ....