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「歩立ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歩立ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
古き小画」より 著者:宮本百合子
た。 イラン勢の中からも、灰色ずくめの戦士が立ち顕れた。どういう訳か、今日は徒歩立ちで、鉾の代りに太刀を佩《は》いている。 スーラーブも馬から降りた。兵卒が....
貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
ように、苦しい心持にさせるのであった。 私は寛容でなければならない。彼等から一歩立ち勝った者の持つ落着きを保ちつづけようとする虚栄心が臆病になりきった心を鞭撻....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
まい、まだ呻吟の声の出る限りはこの世のものである。 そこでお銀様は、静かに二三歩立ちのいて、その頭上を仰いで見ました。 前いう通り、明るい晩のことですから、....
帰途」より 著者:水野葉舟
合って坐った。 そとから入口の戸を閉めた。もう出るに間がないので、I君たちは一歩立ち寄って、また話しをはじめた。ところに、 「出んじょ!」と、馭者台から声をか....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
歩いてるか自分でもわからなかった。心身ともに疲れはてぐたぐたになっていて、一歩一歩立ち止まりたかった。しかし一度立ち止まったら、もうふたたび歩き出すことができず....
性格としての空間」より 著者:戸坂潤
人々は空間と判断との並立のこの主張をまだ信じないかも知れない。空間の性格をもう一歩立ち入って決定することによって同時にこの主張をも明らかにしよう。思惟が判断する....
五重塔」より 著者:幸田露伴
捨て処よし捨て時よし、仏寺を汚すは恐れあれどわが建てしもの壊れしならばその場を一歩立ち去り得べきや、諸仏菩薩もお許しあれ、生雲塔の頂上より直ちに飛んで身を捨てん....
三国志」より 著者:吉川英治
影がうごいた。 「あっ、曹操だっ」と、いう声がした。 それは徐栄の兵だった。徒歩立ちで隠れていたのである。一人がいきなり槍をもって、曹操の馬の太腹を突いた。 ....