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歯ブラシ
「歯ブラシ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歯ブラシの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犯人」より 著者:太宰治
げてみたい。どうにもならなくなった時には、自殺。 鶴は洗面所で歯を強くみがき、
歯ブラシを口にふくんだまま食堂に行き、食卓に置かれてある数種類の新聞のうらおもて....
「千年後の世界」より 著者:海野十三
号器とかいろいろの機械がならんでいる。また、たくさんの参考文献や、そのほか灰皿や
歯ブラシや安全剃刀などという生活に必要ないろいろな品物も入っている。早くいえば、....
「わが町」より 著者:織田作之助
に行った。 9 十姉妹が流行して、猫も杓子も十姉妹を飼うた。榎路地の
歯ブラシの軸の職人は、逃げた十姉妹を追うて、けつまずいて、足を折り、一生跛になっ....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
! 秋ちゃん、風呂へはいって汗を流さないと体がくさってしまうよ。」
お計さんは
歯ブラシを使いながら大声で呼びたてると、やがて秋ちゃんは手拭で胸を隠しながら、そ....
「トカトントン」より 著者:太宰治
の配給の話などに耳を傾けていました。プウシキンもゴーゴリも、それはまるで外国製の
歯ブラシの名前みたいな、味気ないものに思われました。銭湯を出て、橋を渡り、家へ帰....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
の品物だ」 「そうともいえませんね。だって、身のまわり品である筈の洋服もシャツも
歯ブラシも見当りませんですぞ。詰め込んであるのは、ラジオの器械のようなものに、ペ....
「白痴」より 著者:坂口安吾
この街の最後の日だ、伊沢は直覚した。白痴を押入の中に入れ、伊沢はタオルをぶらさげ
歯ブラシをくわえて井戸端へでかけたが、伊沢はその数日前にライオン煉歯磨を手に入れ....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
てどうしようという目当もなく、書きかけの長篇小説と千枚の原稿用紙の外にはタオルや
歯ブラシすら持たないといういでたちで、とにかく隠岐和一を訪ね、部屋でも探してもら....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
れて、今日まで二十五年の歳月、その二人の子の継子の身の上を思いつめながら野堂町の
歯ブラシ職人の二階を借りて、一人さびしく暮してきたという女でしたから、頼まれもせ....
「ヘヤーピン一本」より 著者:豊島与志雄
ろうか。 廊下のつき当りに、広い板の間があって、洗面所となっている。俺はそこで
歯ブラシを使いながら、同室の娘に対する警戒の念がまた湧いた。そこそこに顔を洗って....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
間だよ。お父さん、お風呂へはいッてらッしゃい。その間に片づけておくからね。ハイ、
歯ブラシ。ハイ、タオル。それから、ハイ、石ケンとカミソリと。オフトンの上へユカタ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
を忘れてきたので、一式買ってきてくれと女中にたのむと、すぐ戻ってきて、 「ハイ、
歯ブラシ、タオル、紙……」 「いくらだい」 「イエ、タダです。エプロンをきて、ち....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
」 前川は夫人のために、その小さい部屋に閉じ寵められたような、気味の悪い感じで
歯ブラシの音と水音とで、返事の出来ないことを示していた。 「ねえ、なぜ黙っていら....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
アメリカインディアンの心に奢侈の念を起こさせるようなありきたりの洗面装置があり、
歯ブラシよりも大型の雨傘が楽らく掛かりそうな、役にも立たない褐色の木の棚が吊って....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
たです、と言ってやした。ほんとの話かどうか、何んでも満洲の兵隊は、一人について、
歯ブラシが二十本も渡ったり、キャラメルが十ずつも配られたりするちゅうが、こちらの....