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歯向
「歯向〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歯向の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
的に出てみても、どうする事もできないような真実さが古藤からあふれ出ていた。それに
歯向かうには真実で
歯向かうほかはない。倉地はそれを持ち合わしているかどうか葉子に....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
寒い風だ。見上げると八合目まで雪になったマッカリヌプリは少し頭を前にこごめて風に
歯向いながら黙ったまま突立っていた。昆布岳《こんぶだけ》の斜面に小さく集った雲の....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
じった、杖は夏帽の奴の持ものでしゅが、下手人は旅籠屋の番頭め、這奴、女ばらへ、お
歯向きに、金歯を見せて不埒を働く。」 「ほ、ほ、そか、そか。――かわいや忰、忰が....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
三疋と押寄せて、前脚を突立てたんだ。吠える、吠える! うう、と唸る、びょうびょう
歯向く。変に一面の水に響いて、心細くなるまで凄かった。 (あちらへ参りましょう、....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
絶望することが出来たなら、どんなに彼女は嬉しかったろう。 宿命にはどうしても
歯向かえなかった。 彼女は「絶望」を禁じられていた。 彫まなければならなかっ....
「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
いるにちがいない。「自棄半分っていうのが、このごろは流行なのね。世間じゅうの人に
歯向かうんだわ。あの人はおきゃんきゃらの手に負えない浮気やさんで、舞踏会やお取巻....
「女房ども」より 著者:神西清
楽へ行く。だがお前なんかは大勢の姦婦共と一緒にゲヘナの火に投げ込まれる。……夫に
歯向うのはやめなさい、あの人の足許へ行って跪きなさい。』けれども彼女は一言も口を....
「雪の宿り」より 著者:神西清
南面の大扉にえいおうの掛声も猛に打ち当っておる者もございます。これは到底ちからで
歯向っても甲斐はあるまい、この倉の中味を説き聴かせ、宥めて帰すほかはあるまいとわ....
「俳優への手紙」より 著者:三好十郎
いる。これが「鞭打つ」と言う事になるのであったら、僕は鞭打つ。君は、立ち上って、
歯向って来るか、鞭の方向に向って歩み出すかのいずれかをせよ。 更に又、君は「君....