歯痛[語句情報] » 歯痛

「歯痛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歯痛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
のは看板の存在そのものよりも、看板のあることを欲する心、――牽《ひ》いては我々の歯痛ではないか? 勿論《もちろん》我我の歯痛などは世界の歴史には没交渉であろう。....
デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
新しい報告を齎らした者はなかった。ただ、子供服部に属していると言う一人が、昨晩は歯痛のために一時頃まで眠られなかった事、その間野口達市のベッドが空である事には少....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
硬い煎餅でも何でもバリバリと齧った。それと反対に、父は歯が悪かった。ややもすれば歯痛に苦しめられて、上下に幾枚の義歯を嵌め込んでいた。その義歯は柘植の木で作られ....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
伊三、お前も。現在の兄貴を嘲笑するとは、太い奴だ」 「莫迦をいえ。わしが昨日から歯痛で、笑い声一つ立てられないのは、先刻承知じゃないか」 「ふーむ」 その時、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
流させようとする行為である、北条足利にもまさる逆謀というのほかはない、これには切歯痛憤、言うべき言葉もないという意味のことが書いてあったという。その中にはまた、....
姥捨」より 著者:太宰治
子だの納豆だのついていて、宿屋の料理ではなかった。嘉七には居心地よかった。老妻が歯痛をわずらい、見かねて嘉七が、アスピリンを与えたところ、ききすぎて、てもなくと....
田端日記」より 著者:芥川竜之介
り奥歯を一本ぬかれたのには驚いた。聞いて見ると、この歯医者の先生は、いまだかつて歯痛の経験がないのだそうである。それでなければ、とてもこんなに顔のゆがんでいる僕....
不良少年とキリスト」より 著者:坂口安吾
ビをくくれ。悪魔を亡ぼせ。退治せよ。すゝめ。まけるな。戦え。 かの三文々士は、歯痛によって、ついに、クビをくくって死せり。決死の血相、ものすごし。闘志充分なり....
退歩主義者」より 著者:坂口安吾
ことを覚えたが、もう、おそい。一本残らずムシ歯である。歯をみがくと神経を刺戟して歯痛を起す。苦しいけれども、女の一念、我慢に我慢を重ねた。聟がきまってみれば、も....
戯作者」より 著者:国枝史郎
の丑の日にも近くなった。毎日空はカラリと晴れ、市中はむらむらと蒸し暑い。 軽い歯痛に悩まされ、珍しく一九は早起きをしたが、そのままフラリと家を出ると日本橋の方....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
の劇痛に二ヶ月というもの苦しめられて、氷で冷やしながら呻りつづけたことがあった。歯痛は私の持病で、これには毎年泣かされたものであるが、ペニシリンが流布してからの....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
察知するがごときは、いまだ奇と称するに足らざるなり。杉本氏の談話によるに、かつて歯痛にかかりしとき、怪声に向かいてその薬をたずねしに、落雷のために裂けたる木の一....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
てのみ、蟹の毒にあたれば紫草を食し、西瓜にあたれば唐辛を食し、火爛には渋を塗り、歯痛にはその歯に「南」という字を書くがごとき、その他「おこり」といって、すなわち....
迷信解」より 著者:井上円了
治するものあり。ある日その寺に大法会ありて、隣村の老婆も参詣せしに、住職の小児の歯痛を患うるものを呼びて、その頬に手をあて、一心に『アビラウンケンソワカ』といえ....
はなしの話」より 著者:岡本綺堂
硬い煎餅でも何でもバリバリと齧った。それと反対に、父は歯が悪かった。ややもすれば歯痛に苦められて、上下に幾枚の義歯を嵌め込んでいた。その義歯は柘植の木で作られて....