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歳晩
「歳晩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歳晩の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
歳晩《さいばん》のある暮方、自分は友人の批評家と二人で、所謂《いわゆる》腰弁街道....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
り悠々として大きい翼を空中に浮かべていた。(昭和11・5「政界往来」) 旧東京の
歳晩 昔と云っても、遠い江戸時代のことはわたしも知らない。ここでいう昔は、わた....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
を書いた。筑波山下の医師なる人に一通。東京銀座の書店主人に一通。水国の雪景色と、
歳晩の雪の都会の浮世絵が幻の如く眼の前に浮ぶ。手紙を書き終えて、余は書き物をはじ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
んな太平楽も並べて居れるが、世の中は師走ももう二十日まで迫って来たのだね。諸君の
歳晩苦貧のさま目に見えるようだ。僕はこれから苦寒にはいって行く。うちの諸君および....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
というのは幕府時代の某の屋敷でなかなか立派であった。 それから、昭和元年ごろ、
歳晩にも一度見て通ったことがある。その時には市区改正の最中で道路が掘りかえされ、....
「魔都」より 著者:久生十蘭
二番目の銃士に合図をする。第二の男は進み出て、
「慰労巡察の警視総監が赤坂区第五
歳晩警戒哨、溜池交叉点を通過になった時間は午前三時五十分であります。四時四十分、....
「日蔭の街」より 著者:松本泰
一
歳晩の寂しい午後であった。私は、青い焔をあげて勢よく燃えさかっている暖炉《ストー....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
果の葉を、煎じて飲むと、自分はひとり市馬を思う。 柳桜のまくら その
歳晩、私の住んでいた小田原の家の南の窓からは足柄、二子が遠く見え、庭先には、冬を....
「罠に掛った人」より 著者:甲賀三郎
消て終った。 友木はのっそりと真暗な部屋を出た。 二 通りは
歳晩の売出しで、明るく且つ賑かだった。飾窓にはいろいろと贅沢な品が並べられて、そ....
「随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
がら、思い出深げにこう語った。 ささやかな庭先、春の日がだいぶ傾きかけていた。
歳晩日記抄 十二月二十六日。 大寒の入りのような厳しい寒さ、風も烈しい。その....
「寄席行灯」より 著者:正岡容
くは冠婚葬祭の時にのみ、もっぱら力演これ務めたのである。 思い起こす大正末年の
歳晩、柳家金語楼、当時新進のホヤホヤで神戸某劇場の有名会へ初登場のみぎり、一夜、....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
ができる。しかも「乳房榎」の場合と同じく「累ヶ淵」もまた最も鑑賞すべきは、江戸|
歳晩《さいばん》風景の如実なる宗悦殺しに端を発し、凄艶豊志賀の狂い死にまでにある....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
で、その方面の需要が多かったのであろうかと察せられる。いずれにしても歌舞伎双六は
歳晩の絵双紙屋を飾り、あわせて
歳晩の巷を彩る一種の景物で、芝居を愛する人も愛せざ....