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歳暮
「歳暮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歳暮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
町、淡路町《あわじちょう》、須田町の往来が、いかに美しかったかは問うを待たない。
歳暮《せいぼ》大売出しの楽隊の音、目まぐるしい仁丹《じんたん》の広告電燈、クリス....
「冬の日」より 著者:梶井基次郎
った。 「あああ大きな落日が見たい」 彼は家を出て遠い展望のきく場所を捜した。
歳暮の町には餅搗《もちつ》きの音が起こっていた。花屋の前には梅と福寿草をあしらっ....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
、いつから参るのでございます」 「さあ、いつと決めて来たわけでもないが、むこうも
歳暮《くれ》から正月にかけて人出入りも多かろうし、なるべく一日も早いがいいだろう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が、ある年の十二月十九日の宵に、わたしは詰まらない菓子折を持って、無沙汰の詫びと
歳暮の礼とをかねて赤坂の家をたずねると、老人は二人連れの客を門口《かどぐち》へ送....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しく帰った。わたしも歳末は忙がしいので、冬至《とうじ》の朝、門口《かどぐち》から
歳暮の品を差し置いて来ただけで、年内は遂にこの話のつづきを聞くべき機会に恵まれな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なって飛んだことになってしまった。というのが、去年の暮れに、お妾は自分の親もとへ
歳暮《せいぼ》の礼に行った。その時にかの女中を供に連れて出て、こっそりと意見をし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
四、五日つづいた。半七は朝飯を済ませて、それから八丁堀の旦那(同心)方のところへ
歳暮にでも廻ろうかと思っていると、妹のお粂《くめ》が台所の方から忙がしそうにはい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いあげてみましょう」 「節季《せっき》師走《しわす》に気の毒だな。あんまりいい御
歳暮でも無さそうだが、鮭《しゃけ》の頭でも拾う気でやってくれ」 「かしこまりまし....
「親子」より 著者:有島武郎
そのさまを眺めていたのだ。 「もう着くぞ」 父はすぐそばでこう言った。銀行から
歳暮によこす皮表紙の懐中手帳に、細手の鉛筆に舌の先の湿りをくれては、丹念に何か書....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
まっては商売冥利死んでも死なれません。そこでご相談に上りましたが、今年もいよいよ
歳暮に逼り新年の仕度を致さねばならず、ついては洵に申し兼ねますが、お上のお達しに....
「鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
いをしているところへ、割いた口から今度は娘っ子が転がり込んで来た! 黄金に女、盆
歳暮一緒! この夏ア景気がいいぞ!」 グーッと綱五郎は抑え込んだ。 (無念!)....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
八日である。由兵衛は例年のごとく、浅草観音の歳市へ出てゆくと、その留守に三之助が
歳暮の礼に来た。三之助は由兵衛の弟で、代々木町の三河屋という同商売の家へ婿に行っ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
通の時代において、三十銭以上の双六などがよく売れたものだと思うが、今日と違って、
歳暮や年玉の贈答品に歌留多や双六のたぐいが多く行なわれたので、その方面の需要が多....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
郎を顧って、「倅の云うには、それが為に忠一さんを態々呼び戻すにも及ぶまい。どうで
歳暮には帰郷するのだから、其時まで延しても差支はあるまいと……。」 「それも然う....
「越年」より 著者:岡本かの子
二人は再び堂島探しに望みをつないで暮れの銀座の夜を縫って歩いた。事変下の緊縮した
歳暮はそれだけに成るべく無駄を省いて、より効果的にしようとする人々の切羽詰まった....